陽占の有意識を推察
陽占は有意識である。
その陽占における相生・相剋の関係とは、人物に置き換えることもできるし、自分の意識における性質と捉えることもできる。
例えば、相剋の関係である玉堂星と調舒星の水火の激突は、母が子どもをせっついたり、刺激を与えたりする形にも捉えられる。
別の見方をすると、インプットとアウトプットのラリーは対話の激突とも捉えられる。どの捉え方が適切かは、現状と照らし合わせて精査する必要がある。
有意識は心理の探求が必要
陽占の有意識とは心の働きや心のメカニズムに繋がる。
例えば、貫索や石門は自我の星で定位置は守備である。
ゆえに心理学で指し示すところの自己防衛が強く働く。
自己防衛が強いため、嫌なことがあるとすぐに心を閉ざしてしまう。相手に伝達できればよいが、伝達できないと心を閉ざして、人との交流を断ってしまうか、表面的に交流するだけになってしまう。
貫索・石門が多いと身強だと習う。本来は仲間がいて社交的な姿だが、身強なのに気が弱く、引きこもる現象がある。それは、自己防衛が強く働き、陰転している姿なのだ。
心理における自我の性質が陽転している場合と陰転している場合を見極めきれないと算命学は理解できない。
貫索・石門が多いから強いと判断するのは早計だ。思慮深く精査し、判断した方がよい。詳細な相談内容の場合は、陽転・陰転どちらかの判断を精査する必要があるし、陰転している場合は、心の問題や心の病気も視野に入れつつ、心の働きを示唆し、カウンセリングを施し、セラピーをしなければ好転する可能性は低い。陰転を陽転に好転させるのは容易ではない。成功や幸福は容易かつ手軽なわけがない。
有意識や無意識における点数がゼロ
心の問題も視野に入れつつ、他にも精査しなければならないのは、親の精神がどのように継承されているのかという点だ。親から何を継承されたのか?によって本人の意識が変化するからだ。
伝達の点数がゼロの母親に育てられた子どもは自分を理解してもらえない環境で育てられる。その環境が合致する子どもの場合は良いが、そうでない場合は宿命が不一致となり心理的に愛着不全を抱えていた。愛着不全な人は、表面的には何ら問題がないように見えるが、愛着が関わる関係性(主に恋愛関係や婚姻関係・子どもとの関係)においては、いつも不完全燃焼で終わるのである。
点数がゼロだと、その意味することに固執せず、拘らない生き方を求められる。点数がゼロだと無関心・無頓着でいることで自分の運勢が落ちない。しかし、その無関心や無頓着に相手が耐えられるかどうかは相手の宿命次第である。その複雑な関係性を細やかに丁寧に見極める必要がある。
自分の宿命と相手の宿命の不一致
先に述べた通り、自分の有意識と相手の有意識が一致するとは限らない。
すれ違い程度なら認識のズレを調整するコミュニケーションを図ればよいが、点数がゼロだと無関心でいることが宿命通りである。
鑑定実例をあげると、
・夫が五徳の財が点数ゼロだと、配偶者に無関心、家庭に無関心となる。さらに、お金に無関心・無頓着となるので、自分の幸福感のままにお金を使うことになる。お金に対する計画性がゼロとなる。
この方の妻が仮に財の点数がある場合、通常の関わりを当然求める。それがこの妻の宿命であるから。でも、それが得られないとなると、精神的苦痛は相当なものだと思われる。それらが推察できるよう心理に対する探求も必要だ。