ハーブチンキ作り
キッチンガーデンの植物達はどれが育っても嬉しいが、元気にモリモリ育つハーブは、中でもエネルギーを与えてくれる。上手く環境が合わなくて消えていく子もいるけれど、一定以上大きくなったハーブはなかなか強い。元々、生命力の強い植物達なのだろう。
ただ、意外に困るのがどっさりとれたハーブの使い道だ。最近はよくドライハーブにしていたけど、正直使い切れるのか、自信が無い。
フレッシュハーブを使ったレシピなども紹介されているが、そんな手の込んだものは普段は作らない。
そんなある日、気になる本を見つけた。
「チンキ」と言うと、「赤チン」と言う言葉が思い浮かぶ。私が子供の頃はまだ存在していたような…膝を擦りむいた時などに「赤チンつけて放っておけ」みたいに使われる言葉だった。
幸か不幸か、あまりお世話にならないうちに、静かに消えて行った赤チン。このたび調べてみると、実は2020年まで製造されていた。つい最近ではないか。正式名称はマーキュロクロム液。色が赤いのと、赤チン以前に消毒薬として使われたヨードチンキ(『ヨーチン』)から作られた言葉らしい。ヨーチンはアルコールを含み、つけるとしみるが、赤チンはしみないので人気が出たらしい。しかし、製造過程で水銀が出ることから製造終了になった。
ヨーチンがアルコールを含むことからも分かるように、チンキとは薬草などをアルコール等に漬け、水に溶けない成分も含めて抽出したものを指す。
ハーブチンキでよく使われるのは、ウォッカとリモンチェッロ作りで使ったスピリタス。内服しなければ、精製エタノールでも良い。他のアルコールを使うこともあるが、だいたいこの三つがメインになる。
細かくしたハーブ(原則ドライだが、フレッシュハーブも使える)をアルコールに浸け、2週間から2ヶ月ほど経ったものをコーヒーフィルターで濾したら完成。
お酒なので飲むことも可能。ワセリンや蜜蝋と混ぜると、バームになる。水で薄めると、ローションや空気清浄剤に。お風呂に垂らせば、入浴剤としても使える。
巻頭にチンキの色図鑑が載っている。多くは茶色っぽいが、フレッシュローズマリーをスピリタスに漬けたものは緑色だ。これを作ってみたい。ちょうど、ローズマリーがボーボーに伸びてきたところだ。(施肥してから急に伸び始めた)