2022年東京六大学野球ドラフト候補〜投手編〜
こんにちは、シュバルベです(๑╹ω╹๑ )
今回は東京六大学野球に所属する来年2022年のドラフト候補を一足早くご紹介します!
東京六大学野球連盟はアマチュア球界のトップリーグの一つで、現3年生にも良い選手が目白押しです。昨年は大学別に紹介しましたが、投手編・野手編の方が見やすいかと思い、今年はその区切りにしてみます!
まずは投手の紹介です。今回紹介する現3年生の通算成績を以下にまとめてみました。
22年1月8日、野手編書きました!こちらもぜひ。
以下、個別の選手の紹介に移ります。名前の後ろに○印を付けた選手は、12月頭に行われた大学日本代表候補合宿の選考メンバーです。
・増居翔太(慶應義塾大学)○
出身:彦根東
身長/体重:171cm/68kg
一言:リーグ戦7勝、21年春ベストナイン、21年全日本大学野球選手権最優秀投手賞。実績十二分の技巧派左腕。
2年生の時から慶應義塾大学の2戦目の先発を任され、今年6月に行われた大学野球日本選手権の決勝戦でも先発したのが増居翔太投手です。
1年春から中継ぎとして6試合に出場し早くから頭角を現しますが、本格的な先発転向は3年春から。11先発を含む80.1投球回は現在の3年生の中で最多で、通算7勝をあげ貯金を6個作っています。
ストレートは平均140km/h前後ですが、精度の高いスライダー・カットボールを武器に優れた制球力が売りとなっています。スタッツ的には与四球率が低く、通算9.0BB%は今回紹介する投手の中で最も良い数値です。
体格は小柄で投球も淡々と投げているように見えますが、常に投手優位のカウントを作っていく強気のピッチングは観ていて気持ち良く、彼が投げる試合はあっという間にゲームセットになるそんなイメージです。
憧れの選手に和田毅投手を挙げているのも納得のキレと制球ですよね。多くの選手が振り遅れた空振りないしファウルを喫しています。大学代表候補合宿でも2回1安打無失点とらしさを発揮したそうで。
今年日本ハムを引退した斎藤佑樹氏は、10月31日に解説者として増居投手を次のように評していました。
「きっと(打者が)差し込まれているのは、データよりリリースポイントが前に出ているので、バッターは打ちづらいんじゃないかと思います。差し込まれるようにくる真っすぐが打ちにくい。」(10月31日付日刊スポーツより)
希少価値の高い先発のできる左腕はここ数年ドラフト市場を熱くさせているので、増居投手にも多くの目がこれから注がれるでしょう。今後もし外に逃げるチェンジアップやシンカー系のボールを習得できれば評価は跳ね上がるかもしれません。
・生井惇己(慶應義塾大学)
出身:慶應
身長/体重:176cm/73kg
一言:左腕×神宮球場で150km/h計測の異端児。先発転向も視野に入れた貴重な速球派左腕。
陸の王者慶應の中でも異彩を放つ力投派左腕が生井惇己投手(慶應③)です。
今年の球速の出にくい神宮球場のスピードガンで早くも150km/hを計測。威力抜群のフォーシームを投げることのできる貴重な左腕です。1年時より登板機会を得て、2年生からはクローザーに定着しました。
しかし2年秋、優勝をかけた慶早戦では9回ツーアウトから蛭間拓哉選手(早稲田大学)に痛恨の逆転ツーラン。そのシーンは多くの六大学野球ファンの間で語り継がれていますし、その後のメンタル面を不安視されていましたが、3年春もしっかりと投げられる姿を見せてくれました。
蛭間選手とは今年2度のマッチアップ。春は安打を許すも、秋はショートゴロに抑えました。
大きな声を上げながら打者にボールを投じる「向かっていく姿」はプロ向きで、スライダーを中心とした変化球の精度も上がってきました。
3年秋の法政戦ではリーグ戦初先発すると、140km/h中盤を計測しつつコマンドも乱れず4回を2失点。神宮大会でも11月24日の神奈川大学戦で先発のマウンドを託されますが、この試合では球速は140前半しか出ず変化球の精度も今一つだったため5回6安打4失点(9奪三振)。
夏のオープン戦から先発に取り組んでおり、ドラフトイヤーとなる来年は先発起用が多くみられるかもしれません。
ただし、HPでは自身の将来の夢に「社会人野球」と書いているので、志望届を出すかは分かりません。今年のキャプテンの福井章吾選手のように、入学時点で社会人志望の選手もいるので、個々の人生好きなように歩んでほしいですね。
と、書き進めていたのですが、こちらの記事が。
楽しみですね!
・橋本達弥(慶應義塾大学)
出身:長田
身長/体重:182cm/82kg
一言:回を跨いで試合を終わらせる、陸の王者の絶対的クローザー。
今年、慶應義塾大学のクローザーを担ったのが橋本達弥投手です。182cm/82kgの投手らしい体格で、春季リーグ前から増居・生井の両投手、そして堀井監督からもブレイク候補にも挙げられました。
3年春に初マウンドに立つと140km/h中盤のストレートに鋭く落ちるフォークボールを武器に快投。クローザーといっても2イニングの回跨ぎでゲームを〆る起用法で、24イニングで自責わずか2点の難攻不落のストッパーとなっています。
奪三振率は25.0K%と高く、被弾はこれまで1本のみ。WHIPは1.08とリリーフとして素晴らしい成績を残しました。
春季リーグ戦の優勝決定試合・全日本大学野球選手権の決勝戦、いずれも最後にマウンドにいた投手となっており、プレッシャーのかかる試合でもいつも通りのピッチングが出来る強心臓ぶりはプロ向きでしょう。秋の慶早戦では8回に得点圏で蛭間選手を迎えた場面で登板し三振に切って取るシーンは痺れました。
生井投手同様、夏のオープン戦では先発登板も経験しており、来年のドラフトイヤーでどういう取り組みをするのか気になります。神宮大会ではコンディション不良で全日程ベンチ外、結果としてチームは決勝戦の乱打戦に競り負け四冠を逃してしまったのは痛かったですね。
来年にかける思いが強い選手だと思います。
・荘司康誠(立教大学)
出身:新潟明訓
身長/体重:188cm/88kg
一言:高身長から投じられるストレートは威力抜群、“入江曲線”でプロに殴り込もう。
今年の秋季リーグで台頭してきた速球派右腕が荘司康誠投手です。
188cm/88kgと大柄で、ストレートは151km/hを計測。アベレージでも145km/h前後を安定して投じることのできる馬力ある投手です。第2戦の先発を任されてきましたが、まだ長いイニングを投げ切っておらず、この秋は未勝利で終わりました。
美しいフォームで、伸びしろも大きくある投手だと感じています。指にかかったストレートは素晴らしく、カットボールやフォークのキレも良いという現代NPBのトレンドに近しいピッチ構成も魅力的です。
イニングに大きく差があるものの24.2K%は先発投手としては慶應大学の増居投手より高く、直近でプロ入りした投手たちと比べても遜色のない数字です。
入学後に右肩痛を患うなどここまでの道のりは順風満帆とは行きませんでしたが、昨年冬にトレーナーの北川雄介氏との出会いなど、自らの手で今の投球を切り拓いていった精神的な馬力の強さを感じさせます。
荘司投手と同じように、3年秋まで先発としての実績のなかった入江大生投手(明治大学→横浜DeNA)のように、来年先発でアピールできればドラフト1位も狙えるかもしれません。
・宮海土(立教大学)○
出身:國學院栃木
身長/体重:173cm/76kg
一言:世代最多のリーグ戦31登板、着実にステップアップした鉄腕。
立教大学の鉄腕リリーバーと言えば左腕の宮海土投手です。
1年秋から神宮のマウンドを踏むと、セットアッパー~クローザーとしてこの2年間フル回転。春季リーグではストレートが140km/h中盤を叩く試合も多く着実にビルドアップしてきました。投球としては、なんといっても右打者のクロスファイアに投げるストレートが魅力です。
秋は少し腕が下がっていたように見え、ストレートの精度が悪くなっていたので、ここ2年間での蓄積された疲労を感じさせました。3年間の通算53イニングで61三振とイニングを大きく上回る奪三振を奪っており、27.0K%と高い奪三振能力を発揮してきました。即戦力リリーバーとしての期待がかかる投手だけに、身体のケアだけ怠らないといいなぁと思います。
慶應の増居投手とともに大学代表候補に選ばれ、同世代のトップランナーたちからいろいろなことを吸収できればいいですね。
・渡部翔太郎(明治大学)
出身:千葉黎明
身長/体重:181cm/89kg
一言:名門の18番を背負うポスト山﨑康晃
14年連続でプロ野球選手を輩出した明治大学の注目は渡部翔太郎投手です。
4年間先発に君臨した竹田祐投手(履正社④)の卒業により、頭ひとつ抜けていると評価されていそうな藤江星河投手(大阪桐蔭①)以外は横一線の競争になります。
渡部投手はこれまでリリーフでの登板がメインですが、140km/h前半のストレートに加えて縦割れのカーブ、鋭く落ちるスライダー、そしてツーシームがあります。球種的には先発もできると思いますし、来シーズンの起用がどうなるか楽しみな投手です。
球速は今年そこまで出ていませんが、かなり前でボールを離せているのか打者の振り遅れが目立ちます。投球フォームとしては左投手にはなりますが阪神の岩崎投手に似たものがあります。
自身の憧れであるDeNA山崎康晃投手のような闘志溢れるピッチャーとして覚醒が期待されます。
〈番外編〉
ここではまだまだ実績は少ないですが、ポテンシャルが花開けばドラフトラインに十分乗ってきそうな3人の投手を紹介します。
・石田旭昇(法政大学)
出身:東筑
身長/体重:173cm/73kg
一言:東筑「石田伝説」の第二章、最後の1年で出番を勝ち取れるか
貴重なサイドスロー枠として存在感を放つのが石田旭昇投手(東筑③)です。
高校時代は東筑に伝わる「石田伝説」(エースの姓が石田の時は強い)を受け継ぎチームを甲子園に導きました。
現4年生に三浦銀二・山下輝・古屋敷匠眞・平元銀次郎と強力な投手がいたため3年生の登板機会はこの4年間かなり限られてきたのですが、石田投手はサイドスローらしいサイドスローで、現スワローズ監督の高津臣吾を彷彿とさせるフォームです。
昨秋のフレッシュで観た時はアンダースローだったのですが、今年再度サイドスローに戻したとのこと。
「自分の中で変化が欲しかった」という動機から一時はアンダースローに転向するも、心機一転「今までやってきたサイドスローが一番」と投球スタイルを戻した。
130km/h台中盤のストレート、緩いスライダー・カーブ、左打者の外に逃げるツーシームと球種は揃っているので、来年実戦でどれだけ登板とアピールが出来るかに期待です。投げている球からすると今年までリーグ戦登板が無かったのが不思議なくらいです。
2021年ドラフトではアームアングルの低い投手が多く指名されたトレンドにも乗りたいですね。
・原功征(早稲田大学)
出身:彦根東
身長/体重:171cm/69kg
一言:高梨雄平以来の臙脂を纏う左サイドスロー
左サイドスローのリリーフとして2年時からベンチ入りを果たしてきたのが原功征投手(彦根東③)です。
憧れの投手にソフトバンクの嘉弥真投手を挙げるように、緩急を使った投球術で球速を補っています。
早稲田出身の左サイドスローと言えば高梨雄平選手がいますが、彼はENEOS入社を経てプロ入りを果たしました。原投手の場合はまだまだリーグ戦登板も少ないですし直ぐにNPB入りは難しいように思いますが、左の横投げ投手は対左打者を磨けば需要の出るカテゴリーなので継続して注目していきたいですね。
・島田直哉(立教大学)
出身:龍谷大平安
身長/体重:185cm/88kg
一言:長い手足から繰り出される剛球に注目
荘司投手と同級生で速球派の右ピッチャー島田直哉投手(龍谷大平安③)も来年のアピールによっては候補に割って入るでしょう。
今シーズンはリリーフで登板し、140km/h台中盤のストレートとスライダーで組み立てていました。
龍谷大平安高校時代から名を知られた存在で、長い手足を使ったダイナミックなフォームから繰り出される力強いボールは迫力があります。高校時代と比べ身体の厚みが増して投手らしいがっしりとした体格になりました。
来年は150キロ見せて欲しいですね。
■さいごに
こんな感じで来年のドラフト候補を紹介してみました。いかがでしたか?
毎年多くの学生をプロに送り込む東京六大学野球連盟、来年も見どころ満載です!こんな投手や次のnoteで紹介する野手を間近で見られるのはあと一年だけ!
是非、是非、神宮球場に足をお運びください🙇♂️
そしてもし試合があれば、この投手たちを相手に奮闘する東大野球部を応援してあげてください!笑
■出典
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