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【OAK】混戦!二遊間争いを勝ち抜くのは!?

 いよいよ8月も末ということで、プレーオフ争いに心を躍らせるアスレチックスファンの方も多いかと思います。

 そんな中でも、主力が固定されていないポジションでは来年以降に向けた競争というのが激しくなっていることを見逃してはいられません。今回はその中でも特に激戦区でありほかのポジション争いへの影響も大きそうな二遊間でスタメン候補となる選手を何人か取り上げます。まずは40人枠内の選手から。

ジェイコブ・ウィルソン

 2023年のドラフト1巡目全体6位で指名されたウィルソンは、メジャー全体のドラフト同期の中で6番目にメジャーデビューを果たしました。マイナーでは打率4割と圧倒的な成績を残したアベレージヒッターで、打撃フォームの特殊さも相まって今メジャーで最も真似できない選手の一人と言っても過言ではありません。

 デビュー戦で太ももを負傷して離脱していましたが、先日復帰を果たすと早速守備で好プレーを披露しました。しかし打撃面では復帰後8打席で1安打、2三振とここまではらしくないパフォーマンスです。

 そうは言っても、まだマイナーでのプレーも長くなく、メジャーでも3試合しか出ていないためまだまだ適応するのはこれからです。焦ることはないでしょう。ウィルソンについて詳しく知りたい方は以下のリンクからどうぞ。

マックス・シューマン

 シューマンはバッテリー以外の全ポジションをこなすスーパーユーティリティとして昇格しましたが、チーム事情と本人の頑張りであれよあれよという間にショートのレギュラーをつかみました。

 当初はショートを守るには身体能力が足りないのではと言われましたが、昇格後は紆余曲折ありながらも平均程度のショート守備を披露しています。彼をショートに固定するとユーティリティ枠がいなくなってしまうのが難点ですね。

 打撃面でも好不調の波こそ大きいものの総合するとリーグ平均程度に収束する成績を残しており想像以上の大健闘。ウィルソンの昇格後は主にサードを守っていますが、今一番信頼できるショートはシューマンで間違いありません。

ザック・ゲロフ

 昨季デビューしてわずか69試合で14HR14盗塁を記録したゲロフは開幕をセカンドの不動のレギュラーとして迎えました。30-30の達成など更なる飛躍を期待していたのは私だけではないでしょう。

 しかし現実は思ったようにはいかないというものです。昨季から懸念されていたコンタクト面の課題が露呈し、三振の増加と率系の成績の低下を招きました。執筆時点では少し調子が上向いていますが、それでも打率が2割に乗るかどうかというところ。

 それでも守備と長打力でWARは何とか稼いでくるあたりはさすがというところ。コンタクト面はローレンス・バトラーJJ・ブレデイが今シーズン改善させたところでもあるので、今後の修正に期待したいところです。

ダレル・ヘルネイズ

 今季の開幕ロスター入りを果たしたアスレチックスの選手の中では最年少だったヘルネイズですが、ここまではメジャーの壁に跳ね返されています

 元々スラッガーというよりはアベレージヒッター寄りのタイプとはいえ、124打席立って長打はわずかに3本で出塁率も2割台中盤というのはなかなか厳しいと言わざるを得ません。

 守備面でも目立ったプラスは出せておらず、走塁面でも同様であるため今のところはメジャーで使う理由がありません。しかしまだ若くマイナーオプションも3つあるため、課題修正のための時間はいくらでもあります。昨季22歳にしてAAで4割近い出塁率を記録したところを見てもポテンシャルは間違いないのでなんとか発揮されてほしいですね。

ニック・アレン

 今のアスレチックスの二遊間を語るならこの選手は外せません。筆者の最推しにして、この記事に登場する40人枠内の選手で最も立場が危ういのがアレンです。

 アレンは東京オリンピックでアメリカ代表の正ショートとして来日し、華麗な守備と若き日のジョニー・デップ似と言う人もいるルックスで少し話題になりましたね。あれから3年、当時話題になった写真の中で一番かっこいい写真を投稿していたアレンの恋人はアレンの妻になりました。おめでとう。

 いくら顔が良くても試合で活躍できないと居場所がなくなるのが野球の世界というもの。アレンはメジャーデビュー以来一貫して打撃を課題としており、かのドライブラインで打撃改善に取り組んで迎えた今季もそれは変わりません。

 また持ち味の守備でもメジャーでは出場機会がそこまで多くないからか安定感を欠いており、なかなかメジャーでの起用には二の足を踏む状況です。

 今年でマイナーオプションを使い切り、来季はマイナー降格のためにはウェーバーを経由させなければなりません。使い勝手が悪くなってもチームに残るために、打撃が難しいならせめて守備位置を増やそうということでマイナーではこれまで守っていなかったサードやセンターにも挑戦しています。

 好調時の守備には目を見張るものがあるだけに今後の成長と生き残りに期待したいところです。

アルマンド・アルバレス

 アルバレスは今年30歳でメジャーデビューした苦労人で、選球眼とコンタクトスキルが持ち味です。広角にライナーを打ち分ける打撃をすることができ、パワーもないわけではないいわゆる中距離ヒッターで、主にサードとセカンドを守ります。

 年齢も上で長期的な戦力構想に組み込みづらく、飛び抜けた武器もないためなかなか優先して起用する理由は特にありません。しかしレフトも守れるためユーティリティ性能も高く、ベンチに置いておくには十分な選手だと思います。

マックス・マンシー

 ここからは40人枠外の選手たちを紹介していきます。まずは2021年ドラフト1巡目のマックス・マンシーです。ドジャースにいる同姓同名の選手とは誕生日まで一緒で、「マックス・マンシー2.0」と呼ばれることもあるんだとか。

 大方の予想に反して、と言うべきでしょうか、マンシーはここまで順調にマイナーの階段を上っています。高卒でドラフトされてから3年目のフルシーズンでAAAに昇格するだけでも十分なのですが、平均以上の打撃成績を残しており間違いなく期待以上の活躍です。

 ドラフト時に評価されたパワーとスピードはそのまま発揮されており、評価の分かれていたショートの守備も無難にこなしているようです。最大の弱点とされていた三振の多さも、故障からの復帰後すぐ以外はまずまずです。

 懸念点は空振りの多さ、そして耐久性と打球角度です。スイングに対する空振り率は高い数値のままで、三振は多くないのはバットに確実に当たるようになったからというわけでもなさそうです。

 また今年は特にケガが多く、今シーズンは既に3度故障者リスト入りしています。怪我をするたびに実戦から遠ざかって調子を取り戻すのに時間がかかっており、メジャーで活躍するには健康維持面の改善が不可欠です。

 ポテンシャルの高さは感じられる選手なだけに、まとまった出場機会を与えられるなら昇格、そうでなければマイナーに漬けておくという判断が妥当でしょう。

クーパー・ボウマン

 ボウマンは往年のエースだったフランキー・モンタスとのトレードで加入した選手の一人で、スピード以外に飛び抜けた武器はないもののよくまとまった能力バランスの良いセカンドです。

 先日昇格したAAAではスピードを活かすためかセンターでの出場が増えており、これだけ内野に選手が渋滞していてセンター不足でもあるチーム状況を見ると完全コンバートの可能性もあるかもしれません。

 AAA昇格後は打撃で苦しんでおり、当たらず当たっても飛ばないという踏んだり蹴ったりの状況なので今年の昇格はないでしょう。しっかり適応してさらに上のレベルを目指してくれるとうれしいですね。

ローガン・デビッドソン

 かつてドラフト1巡目で指名されて契約した元トッププロスペクトも、既に20代後半になってしまいました。持ち味のパワーを活かして時折いい打球を飛ばしてはいるものの、そもそもバットになかなか当たらないためなかな成績は伸びていません。

 元々はショートとサードがメインでしたが近年は内外野を問わず幅広いポジションを守りユーティリティプレイヤーとしてチャンスを探しているようです。しかし、メジャーではほとんど打てていないアレンですらかなりの好成績を残すAAAで平均以下の打撃であることを考えるとなかなか厳しそうと言わざるを得ません。

 本人としてもこのままでは終われないはず。なんとか活路を見出してほしいものです。

終わりに

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。センターラインに有力なレギュラー候補が何人もいる状況はとても喜ばしい一方で出場機会の配分がうれしい悩みになっています。今起用の優先順位が高くない選手も活躍してさらに激しい競争になってくれることを願ってやみません。

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