2023年開館、マドリードの王室コレクションギャラリーが素晴らしい!
2023年にマドリードにオープンしたばかりの王立コレクション・ギャラリー。その名の通りスペイン王室のお宝を展示するミュージアム。王宮の向かいにあり観光には便利なロケーションです。
なんと90年以上かかったギャラリーのオープン
元々、19世紀にはタペストリーなどのいくつか王室のコレクションを展示する博物館がマドリードにあったそうですが、それらは無くなったそうです。そして、1930年代に新たな博物館建設計画が浮上したものの内戦などの混乱、フランコ政権下で計画は頓挫。
やっと1998年になって再び計画が浮上したそうです。2005年に建物の建設が始まりましたが、敷地内で9世紀のイスラム時代の遺跡が見つかったことで完成が大幅に遅れ、外観が完成したのが2016年。ところが内装工事の予算が政治的理由で承認されず、開館はさらに先延ばしに。そして遂に当初の計画から90年近くかかって2023年6月にオープンしました。
元々は馬車やタペストリーなど限られたコレクションに限定される予定でしたが、計画は途中変更され絵画や家具なども含めた、総合的な博物館になっています。
とにかくスケールが大きく豪華絢爛な展示品
さすが一時期は世界を牛耳ったスペインの王室。とにかくそのコレクションは豪華絢爛です。
展示室に入ってすぐあるのがかつてマドリードの教会にあったという巨大な4本の柱。ラピスラズリ色の柱にブドウの蔓を模った金細工が美しく、高さは565センチ、重さは600キロもあるそう。とにかくその大きさに圧倒されます。
漆黒の馬車がとっても美しいです。
タペストリーの数々。
フェリペ5世とその王妃エリザベッタ・ファルネーゼの肖像。
17世紀後半のものとは思えない保存状態の良い像。
エル・グレコもあります。
ルーベンスのタペストリー。
噴水も展示してしまうというスケールの大きさ。
金が眩い豪華絢爛なチェア。
テーブルのセンターピースだそう。真ん中にこんなものがあったら座っていて落ち着かないと思うは私だけでしょうか?
立体的でまるで大理石の彫刻のように見える絵画。
赤い珊瑚を使った小物の数々。
初版(1605年)のドン・キホーテ。世界で20部ほどしか残っていないうちの1冊だそう。危うく見逃すところでしたが、スペイン人カップルがこれを見ながらやたら熱心に話をしていたおかげで気が付きました。
絵も素晴らしいですが、額の装飾もゴテゴテ。
巨大な祭壇がフロア二つ分の吹き抜けに展示されています。
そして、建設途中に見つかったイスラム時代の遺跡がガラス越しに見えるようになっていました。
王室所有の宮殿や施設を巨大スクリーンに映し出しているエリアも。
プラド美術館ほど広くはありませんが、とにかく見ごたえがありました。
王室の乗り物の特別展も豪華絢爛
9月1日までの特別展では王室で実際に使われた乗り物の展示がされていました。豪華な馬車がずらり。
ちょっとシンデレラのかぼちゃの馬車を連想させます。
この特別展のために馬車を運び入れる作業を撮ったビデオがあり、かなり大がかりで面白かったです。
デザインからしてこちらは比較的新しめの馬車。
彫刻のディテールが素晴らしいです。
馬車だけでなく、乳母車も。
面白いのはソリまであること。こんなソリで雪山を滑り降りてみたいです。
車はメルセデス。
こちらもかなり大型のメルセデス。
とにかくそのスケールの大きさと豪華絢爛な品々に圧倒された王室コレクション・ギャラリー。普通の美術館と違っていろいろなものが展示されているため、飽きずに興味深く見学できました。個人的にはプラド美術館よりも楽しかったです。スペインの王室の歴史をある程度知っていれば恐らく楽しさは倍増だと思います。
王宮とセットになったお得なチケットもあるのでおすすめです。