バルセロナからローカル電車で仏コリウールへの日帰り旅
以前フランスを訪れた際に通りかかった海沿いの町、コリウール(Collioure)。
かなり雰囲気が良さそうだったので訪れてみたいと思っていました。
ビーチがあるので夏に行くのも、そしてオフシーズンに行くのも良さそう。そして7月に入ってようやく暑くなってきたので、オリンピックが始まる前に日帰りで行ってみることにしました。
バルセロナからコリウールまでの道のり
バルセロナからはスペインとフランスの国境のフランス側にあるセルベール(Cerbere)かスペイン側にあるPortbouまで直通の普通電車(RegionalまたはMedia Distancia)が出ています。行きはフランスのセルベール行きの電車が便利だったのでそれを利用しました。所要時間は2時間半ほど。
午前7時20分過ぎに出発で10時過ぎに到着です。
途中ジローナやフィゲレスなどのカタルーニャ州のメジャーな町を通り、終点の15分前くらいから海沿いの景色になります。国境まではカタルーニャ州が誇るコスタ・ブラバの景色です。
スペイン最後の駅Portbouに到着。国境検査や税関などがあった名残で人口千人の小さな町なのにびっくりする大きさの駅です。
前回ここで降りていますが、駅舎も歴史がある立派な建物で、本当に感動レベルのスケール。今回はゆっくり眺める間もなくすぐにまた出発です。
フランス側の国境の町、セルベールに到着
終点のフランスのセルベールまではトンネルがほとんどで、ノロノロ運転で5分ほど。フランス国鉄SNCFのロゴを見て「あぁ、フランスに来た」という気分になります。
スペインのローカル線がフランスの駅にあるのはちょっと不思議な気分。セルベールの駅は先ほどのPortbouに比べると随分小さいです。
乗車券は通しで買えないので、セルベールでまた買うことになります。ネットでも買えますがバルセロナの電車が遅延したとき払い戻しがないので駅で買うことにしました。着いてみると券売機が一台しかない上に、タッチスクリーンではなくダイヤルを回して操作するかなり古いマシーン。みんな買うのに時間がかかっていました。
乗り継ぎ時間は20分。乗車券購入に時間がかかったので慌ててホームに行きます。
コリウールまでは15分ほどの短い旅です。
海岸沿いを走るのでとにかく景色が素晴らしいです。
入り組んだ湾になっているところが多いです。
この辺りは山肌にブドウ畑が広がります。ラングドック・ルーション地方に位置し、ワイン生産が盛んなエリアで、この辺りはAOPコリウールという原産地呼称。
少し北に行くとより広大なAOPコート・デュ・ルーション・ヴィラージュなどがあります。
そしてあっという間にコリウールに到着です。
町の様子は次回お伝えします。行きは比較的スムーズでしたが、帰りの電車はトラブル続きでした。
帰りの電車はトラブル続き!
帰りはコリウールからスペイン側のPortbouまでの18時16分発の電車。国境を越える電車はネットで乗車券が購入できないようなので30分前に駅に行き購入。
スクリーンで情報を見るとどうやら2本前の17時16分の電車が遅れているようでまだ到着していないよう。最初は50分遅れと表示されていたのがどんどん延びていき、60分、90分、それに合わせて後続電車も少しづつ遅れて行きました。
駅は18時に閉まるので駅員も帰ってしまい、アナウンスも一切なし。スペインは無人でも遠隔でアナウンスがあるのですが、こちらはスクリーンに「~分遅れ」という表示だけ。
しばらくすると乗るはずだった18時16分の電車がスクリーン表示から消えてしまいました。SNCFのアプリを見るとどうやらキャンセルしたらしい…
もう1組の年配カップルやスペイン人の女性二人組と困ったよねといいながら待ち続け、日陰の地面に座り込んでスーパーで買ったバゲットとブルサンチーズを食べたりしました。
途中反対方向へ行く電車が1本到着。昔ながらのコンパートメントの電車でした。スペインではもう走ってないですが、フランスはまだ走っているようで嬉しくなりました。
結局17時16分の電車が140分遅れで到着。電車が目の前に現れると歓声が上がりました!本来乗るはずだった電車の時間から1時間20分後です。この時点で19時36分。
フランスを含め1時間以上の遅延はEUの規定上運賃の返金請求ができるのですが、いくつか例外があり、後で調べたらこの辺りを走る電車は例外だということ…フランス国鉄SNCFによる運行ではなく、オクシタニー州政府であるようなのでそのせいかもしれません。
急遽行き先変更となった電車
ところが、Portbou行きの電車に乗ったにもかかわらず、フランス語のアナウンスで「この電車は行き先を変更してセルベール終点になります。Portbouへはセルベールで乗り換えてください。」ということ。パートナーがフランス語分かるので助かりましたが、乗り換えの電車がいつどのホームに来るのかも一切連絡なしでセルベールで下車することとなりました。ホームに係員がいて「10分後にくる」ということでした。乗客は20人ほど。
果たして終電に乗ることができるのか?
時間通り電車に乗れていれば、バルセロナへの最終電車の2つ前の電車に乗る予定でした。ところが遅れたことにより、その電車と次の電車はもうすでにPortbouを出発してしまいました。残るは20時24分の最終電車。
セルベールでPortbouへの電車が来たときはすでに20時を廻っていました。ところがこれがなかなか出発しない…どうやら運転手の交代があったよう。そしてようやく出発したのが20時19分。終電まで5分しかありません。
Portbouに到着するとバルセロナ行きの最終の出発時間でした。幸い係員が「スペイン、バルセロナは向こうのホームだ」と大声で誘導していてセーフ。もちろん乗車券を買う時間はなく全員乗り込んだところすぐ出発。
それからは空いていてクーラーの効いた気持ちの良い車内でまったりとバゲットとチーズとフレンチワインを堪能。バルセロナ到着は22時40分でした。結局検札は来なかったので、いつも利用するパスで降りることができました。苦労した代わりに電車賃が随分安くなりました…
SNCFは毎回ストライキや遅延、運休に悩まされます。時間に余裕をもって計画を立てたので、まあ最悪どうにかなるだろうと思ったのですが、どうにかなりました。国境の大して何もない町で何十人も一晩足止めにならないようにしてくれているのだと信じたいです。
海外の公共交通機関利用は余裕をもって!
次回は美しいコリウールの町を歩き、そして泳ぎます。