見出し画像

腹直筋のすすめ

 腹直筋(Rectus Abdominis)は、腹部(Abdominis)にある直筋(Rectus)で、前腹筋の1つであり、一般的に「腹筋」と呼ばれる部位で、多腹筋である。
 
 腹直筋は、左右それぞれ腹直筋鞘に包まれ、前部には腹直筋鞘前葉、後部には腹直筋鞘後葉がある。
 
 腱画は表面だけにあり、腹直筋鞘前葉と連結していて、水平方向に2~3本あるため、片側で筋腹が3または4ある多腹筋です。上下間隔は、下に行くほど広くなっている。

1 分類

 腹直筋には、腹直筋を包む腱膜組織由来の腹直筋鞘という鞘があります。
  
 腹直筋鞘には腹直筋の前にある前葉と後ろにある後葉の2種類があり、前葉は、外腹斜筋腱膜 と内腹斜筋腱膜の前部が融合してできている。
  
 後葉は、内腹斜筋腱膜の後部と腹横筋腱膜が融合したものである。

2 走行

 腹直筋は恥骨結合および恥骨結節より起始し,第5~7肋軟骨,剣状突起の前面に停止し、通常3~4個の腱画により,筋腹を4~5節に分ける。
  
 骨盤が固定された場合には体幹の屈曲に作用し,胸郭が固定された場合には,骨盤の後傾に作用する。

3 機能

 日常生活動作では、仰向けの状態から起き上がるときや、胸郭を引き下げて息を吐く呼気の 補助で使われる。また、骨盤の過前傾を抑制するための姿勢の保持に働いている。  
  
 スポーツ動作では、主にはオーバーヘッドスロー、テニスのサーブ、テニス・バドミントンのスマッシュ、バレーのスパイク、サッカーのスローイン・ヘディングなど、体幹を屈曲するうえで中心的な役割を果たします。

4 運動作用

 腹直筋は、体幹の屈曲・胸郭前壁の引き下げ・腹腔内圧の拡大の作用がある。

5 トレーニング

 腹直筋を主動筋とする、筋力トレーニングには以下のようなものがある。
 
 本来、腹直筋鞘はあらゆる方向へ動かされるものであるため、腹直筋トレーニングで体幹を屈曲する運動ばかりやるのは腹直筋鞘の対応力を失うため、モーブメント上は不適切である。
 
 腹直筋の筋力トレーニングは、3Dエクササイズが基本となる。

6 ストレッチ

 元々、腹直筋は短縮しやすく、外腹斜筋は伸張されやすく筋力低下が生じやすい筋肉である。
  拘縮すると骨盤が後傾し、円背の原因となる。
  
  腹直筋の代表的なセルフストレッチは、以下の3つで、何れも伏臥位で行う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?