地球のためにレジ袋に「No」と言えるあなたが、牛肉に「No」と言えないわけがない。
20,600 リットル
この水の量は何を表しているだろうか?
正解は、牛肉1kg生産するのに必要な水の量だ。
水のジャーナリストの橋本氏によると、
豚肉と鶏肉はそれぞれ、5,900Lと450Lらしい。
牛肉のステーキ300g(一般的な量)に費やされる水は、
およそ6,180L 。
東京に住む人が1日に使用する量を平均250Lだとすると、
25日分の水がステーキに費やされていることになる。
ステーキ食べるだけなのに、こんなにも大量の水が使われているなんて…
確かに、水自体は循環するから枯渇はしない。だが、淡水である必要がある農業用水は、食糧需要が高まるたびに不足していく。
牛肉の生産効率の悪さ、環境コストの高さも研究されている。
PNAS(米国科学アカデミー紀要)に掲載された論文には、
牛肉1,000kcalを生産するのに必要な土地、灌漑用水、温室効果ガス、反応性窒素(化学肥料から出るもので、生物多様性に悪影響を及ぼす)が、豚肉や鶏肉と比較したときにどれほど大量かグラフで示されている。
Gidon Eshel, Alon Shepon, Tamar Makov, and Ron Milo, "Land, irrigation water, greenhouse gas, and reactive nitrogen burdens of meat, eggs, and dairy production in the United States" (2014).
上(灰色)から、乳製品、牛肉、鶏肉、豚肉、卵の生産に費やされる資源(A:土地、B:灌漑用水、C:温室効果ガス、D:反応性窒素)が表されており、その差は一目瞭然。Eは、米国の1人あたり1日の摂取カロリーのうち、動物由来のカロリー数を表している。
土地を畜産用にするために森林が切り開かれ、二酸化炭素を吸収し雨水を蓄える森がどんどん破壊されている。
また、温室効果ガスについては、Tamar Haspel氏はWashington Postで、
「もし、週に1度ステーキを豆類に変えるだけで、およそ331kgのCO2を減らすことができる…これは、38gallonのガス(143Lのガス。軽自動車3台は余裕で満タンにできる量。)は使わないことに、そして12個の照明をLEDに変えることにも匹敵する」と述べている。
さらに、牛肉はたんぱく質を摂取するのに効率的ではないことも示された。ちなみに、ここでは栄養学の話はしないのでご了承いただきたい。
Gidon Eshel, Alon Shepon, Tamar Makov, and Ron Milo, "Land, irrigation water, greenhouse gas, and reactive nitrogen burdens of meat, eggs, and dairy production in the United States" (2014).
下段のグラフBをみると、1gのたんぱく質を生成するのに、牛肉は豚肉の2〜4倍ものエネルギーを与えなければならないとわかる。
詳しくは別の記事で話したいが、簡単に言えば、それぞれの家畜の育て方の違いによるもので、肉牛は最もコストがかかる家畜だからだ。
長くなってしまったけど、まだ全然書き足りないので後日補足することにしよう。
かの有名なSteve JobsもLeonardo DiCaprioも、モデルのローラも、
肉食、特に牛肉を食べない理由の一つは、紛れもなく地球環境のためだ。
何も知らずに今日も牛肉を食べた、なんてもう許されないくらいに、科学が牛肉のコスパの悪さを証明している。
あなたが、もしスーパーで「廃プラスチックを減らすため」にレジ袋を断りエコバッグを使ったのならば、「地球の資源を守るため」に牛肉を食べる頻度を減らして別の美味しい食材でお腹も心も満たしてほしいと思う。
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