30年たって入れた店と30年たって弾きたい曲
九州に行って最後の日は熊本で、朝から海へ向かい防波堤から顔を出すと
雲仙普賢岳
学生の頃休みの日にかなりな距離を自転車で走ってきて、ここでボーっと海を眺めた。あの時噴火していて時々火砕流が流れたり
ただぼーっとしても何なので音楽を持って行って、イヤホンでオーケストラなんか聴けないのでピアノの
こんな所で重い曲もなんだからドビュッシーとラヴェルのこぎれいな曲集とか
ドビュッシーのアラベスク1番なんかを聴いてるとずっと頭の中に青い空と海と普賢岳が浮かぶ
ピアノを習い始めて去年やったけれどその間も。
なんかその景色をどうしてももう一度この目で見たくて
あの曲やったはいいけどかなり中途半端に終わっちゃったし、また練習して仕上げないとね。
とは言え発表会まではよそ事やるなということなので、テンペストも4月から始めてもう半年‥なんて先生に言ったらちょっと長すぎですけどね・・って
でもまだ仕上がらないんだからそれでいいとは思う12月まで
天気悪い日だったけどこの時だけサービスで青くなってくれて
ここでここで青い空と海を見ながら聴いたからドビュッシーの夢とかベルガマスク組曲とか聴くと頭の中青くなるんだよね
ラヴェルはソナチネとか古風なメヌエットに夜のガスパールも聴いたけど青くなんなのはなんでかな
この日昼に馬刺しが食べたくて狙って行った店は2軒とも休み。
ふと思った
他に熊本と言えばラーメンだけど学生のころ毎日その前を通った店があった。
熊本のラーメンてすごく癖があるんだけど店の周り一帯がものすごいにおいだったりして
だからじゃないけどなぜか一度も入らないまま終わってしまったあの店、その後ネットなんかでふっとその名前が出てくることがあってどうも静かに知る人が知る名店かなんからしくて
この際行こうか
と思ったはいいけどあったはずのところに見つからない。
あれ移転しちゃった?
あっ、あったあった
ようしくらいな勢いで車を降りると先に入って行く人が見え、なんか嫌な予感
そういう予感て当たるんだよね
材料終わっちゃったからもう閉店の貼り紙
僅か20秒くらいの差で
なにこの漫画な展開と思って途方に暮れていると
厨房の奥で店主が腕を頭の上にあげ丸を作ってるのが見えた
え!?いいの?
でっかい声でありがとう!なんて言いながら入ったら重鎮みたいなお客さんたちがあ”?みたいな顔で振り返る
メニューはラーメン一択でトッピングを続けて構文みたいに頼むらしい
のでチャーシュー玉子だっけ
夫婦なのかお店の人も重鎮みたいなお客さんもみんな寡黙でちゃらちゃらしてない
味もほんとに素朴で変にちゃらちゃら派手でない熊本ラーメン
18くらいのころに食べても半日胃がもたれ、だけどやめられなくなるのが熊本ラーメンだと思ってたけどここのはそういうことがなく
若干物足りないという人もいるみたいだけど
脂もん避けるようになった私にはむしろちょうど良く美味しいくとよかったよこれ。
途中店に入ろうとしたおっさんが今日はもうおしまいなんですと言われて怒って怒鳴ってた
なんだよと思ったけど怒るほど好きなんだなと思えば
最後の客になっちゃったけど寡黙な感じのお店の人に
最後に入れてくれてありがとう、静岡から出てきて今日駄目なら次があるかわからなかったというようなことを言ったら
夫婦でいい笑顔でよかったですねとか言ってもらえて
これが旅の締めでよかったということで
向こうへ行ってる間ちょうどあの頃よく知りたくて何度も聴いてた曲が頭の中で流れてきて、今も流れてる。
良くも悪くもいろいろ思い出しちゃったあの頃の自分に、お前もっとこうした方がいいよと言ってやりたくなるんだけど
もしかするとずっと先の自分も今の私に向かってもっとこうしてくれよとい言ってるのかもなと
あと何年あるのか悔いのないようにとは思う