丁寧でやさしいパフェ
「おうちで、見て、食べる、パフェ」。
第22回目として、紹介したいのは、
「からだにやさしい焼菓子の店 ギャリコ」さんである。
残念ながら、2019年に閉店してしまった。
ただ、春に提供されるパフェが
大変おいしかったので、
ぜひ紹介させてほしい。
「ギャリコ」さんはとてもこじんまりしたかわいいお店だ。
扉を開けると、
スコーンやクッキー、マフィンなどの、
お持ち帰り用の商品が並んでいる。
焼き菓子を求めて買いに来る常連客は多い。
一方、カフェスペースは、
とても静かで、やや緊張感のある時間が流れる。
店主は、食材にこだわりが強いだけでなく、
店内の写真撮影は許可制だったり、
団体や男性一人での来店は禁止など、
なかなかに決まり事が多いのだ。
それだけ、「ひとりの時間を大切にする」
という独特の空気感がある空間だ。
さて、注文したのは、
「サクラ・チーズパフェ」。
「おいしい。」
もう、この言葉だけで十分ではないか。
本当においしかった。
静けさのなかで、
感性を研ぎ澄ませているからだろうか、
味の変化すべてに集中し、
パフェを全身で楽しむことができる。
それもこれも、店主が用意してくれた、
この空間のおかげだろう。
桜の塩漬けがほどよい塩気となり、
味のアクセントを与えてくれる。
桜あん、桜リキュールなど桜づくしの味わいで、
一口ごとに春が咲き誇るパフェだ。
チーズケーキやバニラアイスも最高においしい。
クランブルもさくさくでクリーミーな他の素材と
組み合わせて食べれば、浮き足立ってしまう!
おだやかな春の日、静かな空間で、
私の頭の中では大喝采。
とてもおいしかった。
春の暖かな風がふきこむ、
すばらしいパフェと出逢えたことに感謝。
もう、一生味わうことはできないけれど、
わたしの脳裏にはいつまでも生き続けているパフェだ。