孤独を貫く
職場での歓送迎会。
シラフで乗り切るのはとても大変だ。
指定された席は40人いて自分だけ誕生日席。
両隣には新卒の大人しい女の子と酒豪の30代。
職場ではほぼ関わりが無い中、当たり障りの無い話をする。
自分は立場上損な役回りをする事を要される。
何かとすぐに呼ばれたら、NOは一才言えない。裏に周り宴会の進行、皆んなの前で1人だけ立って酔っ払った理事長の相手、写真撮影係、余ったケーキを全部平らげる。
毎回忘れ物が誰のものかを係りの人に聞かれ、テーブルの下、椅子、隅々まで見て最後に宴会場を出る。
進んでこの役になったのだ、裏方。組織のNO.2になりたい。何も知らされない、のうのうと生きる末端社員にはならない。そう決めたのだ。
スタッフには立場上深入りしないように注意している。
不満をぶつけないのか、社内なら誰が好みか、そのような質問は全てを適当に流す。波風立てないように。
逆に社内の彼は実はとても強気で、裏では見下すような人だとか、色々と聞けて面白いし、ああ、いかに人間らしい人間の集まりだとこれに関しては、斜めに見て俯瞰を楽しんでる。
もちろん2次会は誘われても行かない。
行きたいと思える人が本当にいない。
早く帰って、スーパーに寄って、割引のマフィンに目玉焼きとベーコンを挟み、頬張る。
どんなに高級な料理が出てくる宴会よりも、この時間に作るジャンキーな食事のほうが美味しい。
寂しく無いかと言われると寂しいが、2次会に行くより遥かに幸福感がある。
確かに馬鹿話は楽しい、何も考えず、同じ事、過去の事について笑い合って、時に誰かを貶して、そこに意味があるのかは考える人は恐らく大勢での宴会を楽しめない人。
孤独の中に生きる、悲しいやつなのかもしれない。
今の現状に満足していないから、末端の人は何も知らずに、わちゃわちゃと職場を楽しめばいい、職場は自分を高め、お金を稼ぐ場所であって、プライベートを持ち込むところでは無いと自分に言い聞かせながら、またnoteに綴る。