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死は甘い香り

どの小説だったか、どの映画だったか忘れてしまったのだが、死は甘い香りという文章が頭のなかに残っている。

初めて聞いたときはよく分からなかった。死は怖くて、暗くて、闇のようなイメージを抱えていて、甘いという単語には結びつかなかった。

しかし今なら分かる。死は長い眠り、微睡のようなもので心地よいだろう。これ以上傷つけられることもなく、深い悲しみで狂うこともない。幸せとも思えてしまう。

わたしには死ぬ勇気はないけれど、死を選ぶことが間違いだとは思えない。

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