<UMITRON CELL活用事例> コスト削減に成功 「こんな給餌機が欲しかった」
高知県宿毛市でシマアジの養殖を営む吉村さんに、スマート給餌機 UMITRON CELLの活用についてお話を伺いました。
Q1.導入のきっかけは?
吉村さんが養殖を営む漁場は浜から遠く、往復に約30分かかっていた。また1日に3回程度出かけるため移動に費やす時間は合計1時間半ほど。沖に行かずに魚の世話ができたらいいのに....といつも考えていたため、遠隔操作ができる給餌機 UMITRON CELLを初めて知った時は「ああこれええなぁ」と思い導入しました。
Q2.どのように活用されていますか?
タイマーは細かく設定する
朝から夕方まで30分間隔で1回5~15分のタイマーを設定する(図2参照)これを基本とし、魚の活性に合わせてタイマーのオン・オフを切り替え、多い日で1日24回の給餌を行っています。
タイマーの給餌パターンは、十分な量の餌を一度に投下することをイメージしている(図1参照)魚同士が擦れて傷が付いたり、一部の魚が餌を独占するのを防ぐ狙いがあるといいます。
短いタイマーを多く設定するに至った吉村さんの給餌の哲学を伺いました。
<全ての魚に満遍なく餌を与える>
最初に餌を食べ満腹になった魚は消化するまで次の餌が食べられないと考えている。短期間で次のタイマーを作動させることで、まだ餌を十分食べられていない魚も満腹になるチャンスを与え個体間での餌給のばらつきを減らすようにしています。
<時間帯ごとの給餌の偏りをなくす>
水温や酸素量の違いなど環境要因により、その時々で魚の食欲は異なる。なるべく1日を通して均一に餌やりをすることで、空腹時に魚がしっかり餌を食べられるようにしています。
遠隔での給餌振り返りと即時の設定変更
午前中は洋上からアプリを使ってモニタリング画面のリアルタイム給餌、または給餌履歴(餌重量)の動画から魚の活性を確認して当日のタイマーのオン・オフ調整をしています。餌に集まる魚の数が少ない時や飛沫が小さいと感じる時はその場で給餌を停止したり、次の給餌のタイマーをオフにしたりして、水中で餌を食べている魚がいるかどうかもカメラ越しに確認し、季節によって海の透明度が微妙に違うので見え方が変わるということを念頭において確認しています。
午後は帰宅して一日の魚の活性を振り返ります。一覧表示にして全体を把握し、気になる時間帯の給餌だけ動画を再生して細かく見ていきます。タイマー変更する場合にはPCも併用し、動画再生しながら別の端末でタイマー覧画面を開きタイマーのオン/オフや給餌パターンの調整し、レポートから給餌量のグラフが確認できるので複数の生簀の給餌量を見比べています。
餌量の目安は給餌率を参考に自分で設定
都度設定は見直すものの、最終的な給餌量の調整は1日単位で目標値に近づけるように調整しています。1日の合計給餌量は摂餌率を参考に自分で決めています。
Q3. どのような効果を感じていますか?
人件費・燃料代が削減できた
導入以前は朝・昼・夕方、毎日沖に出て現場で給餌中の生簀の様子を確認していました。導入してからは 、自宅でチェックできるようになり生簀に行く頻度を毎日から週4~5日に減らすことができ、その分の人件費・燃料代が大きく削減できました。また以前、シケが来た日は、餌を落とすのを止めたいが、海が荒れて沖に出ることができないので諦めていました。今は遠隔で餌を止めることができるので、餌を無駄にせずに済むようになりました。天気に左右されることや、これまでしんどいと感じていた作業が減らせて楽になったように感じています。
試行錯誤が可能になった
従来のタイマー式の給餌機であれば朝に生簀に行って、餌の落下設定をするのみで、給餌を振り返る術がなかったので、以前は無駄に餌を落としてしまっていたかもしれません。今は目視で確認したりAIを使って無駄餌を止める設定ができます。従来のタイマー式の給餌機は設定の柔軟性が低く、決まったパターンの給餌しかできませんでしたが、CELLにはそういった制約がないので、細かく設定を変えて試すことができ、より良い給餌を目指して試行錯誤がしやすくなりました。
吉村さん、お話をお聞かせいただき有難うございました!
水産養殖を営む皆様へ
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