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波風が絶えない、海の世界

水は実に不思議な動き方をします。流体を正しく理解しモデル化するのは大変難しいことで有名です。水力及び海洋を研究するエンジニアは誰よりも水について詳しいですが、それでも海の強力な力に耐えることができるシステムを設計するには、常に最善の推測と判断を必要とします。

海の水と波には、いくつかの基本的なルールがあります。外洋(水深が深い場所)の波の高さは、風速、及びその風速の持続時間、吹送距離等、いくつかの要因が関係します。吹送距離とは、一定の風速・風向の風が陸に遮られることなく移動できる距離を指します。外洋では、吹送距離は数千キロメートルに及ぶ可能性がありますが、湾内では数百メートル程度でしょう。外洋で何日も風速が高い日が続くと、10メートル以上の大きな波が発生しうります。

養殖場付近の波の状態を理解し、生け簀や網、ロープ、アンカーなどを設計し、あらゆる条件に耐えられるようにすることが生産者にとって重要です。しかし、より太く丈夫な網、より重いアンカー、そしてより強力な構造の生け簀などはすべて、生産者に大きなコスト負担を強いることになります。そして、養殖設備はもれなく、太陽光や塩水による腐食、劣化の影響を受け続けます。定期的な検査及び故障部分の交換作業は、数年ごとに継続的に行われています。大きな問題となり得るのは、台風や地震などにより発生する大きな波が養殖場に直撃し、すべての養殖機材に高いストレスをかける時です。残念ながら、複数の機材において発生する負の連鎖反応を止めることはできないのです。

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世界最大の波はポルトガルのナザレで発生し、時に30メートル以上に達することがあります。海底谷が存在するため、海底に邪魔されることなく大きな波を保ったまま海岸に到達します。 (出典:ウィキペディア)

人間は通常、陸から波を眺めているので、波による海水面の盛り上がり・盛り下がりがわかります。しかし、魚は全く異なる方法で波を見ている、いえ、むしろ感じています。海洋波エネルギーは海中の下に行くほど衰えますが、水面下10〜15メートルの生け簀にいる魚や貝類にとっては非常に影響を受けることになります。海面に1メートルを超える波が発生していれば、魚たちは波の影響で水中で揺さぶられていることになるのです。

魚が波に影響されるだけでなく、大きな波は水質に影響を与える可能性があります。海底からより多くの堆積物を乱す原因となり、場合によっては多くの酸素が水に溶解する可能性があるのです。また、海洋波エネルギーは、暖かい海表面の水と冷たい海底の水とを混合させることもあります。これらすべての要因と波の動きが、魚の食欲レベルに影響する可能性があるのです。波の高さと生け簀の魚を確認しながら、摂餌行動がどのように変化するかを把握することが養殖にとって重要なのです。

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