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「動物園」芥川龍之介 〜覚えてゐろよ。綿細工め。|読書感想文 #7

私の好きな作品の一つ、芥川龍之介の「動物園」。
動物園にいる動物たちについて、あれこれ言っている。
独特な表現がたくさんあって、読んでいて楽しいしほっこりする。
私の好きなものをいくつか紹介します。


家鴨(あひる)

子供が黒板へ白墨で悪戯に書いた算用数字。2、2、2、2、2、2。

もしかしてこれって…
♪数字の2は なぁに?お池のがちょう
の2ですか?
(この歌、わかりますか?)
うーん、かわいい表現。


カンガルウ

腹の袋の中には子供が一匹はひつてゐる。あれを出してしまつても、まだ英吉利の国旗か何かが、手品のやうに出て来はしないか。

ポケットの中からピラピラピラーって
国旗がつながったやつがね…でてくるかもしれない!


山椒魚

おれがね、お前は一体何物だと、頭に向つて尋ねたら、私わたしは山椒魚ですよと、尻尾がおれに返事をしたぜ。

これ、どういうことなんでしょう?
頭と尻尾、逆だと思ってたということかな?
たしかに遠目で見たらわからないかもしれない。


ふて寝だな。この襟巻め。


こんな感じ?

狐:はい、すみません。
私:襟巻きって…


ペングイン

お前は落魄した給仕人だ。悲しさうなお前の眼の中には、以前勤めてゐたホテルの大食堂が、今も Aurora australis のやうに、輝かしい過去の幻を浮き上らせる事がありはしないか?

給仕人!!独特のセンス!!
たしかに、エプロンつけているようにも見える。
「落魄」の意味は、落ちぶれること、だそうです。ひどい笑


ジラフ

これは玩具だ。黄色い絵の具と黒い絵の具とが、まだ乾かずにべたべたしてゐる。尤も人間の子供の玩具には、ちつと大きすぎるかも知れない。さしづめあの小ましやくれた、幼児ランフアン基督の玩具には持つて来いだ。

キリン、おもちゃだったのか…
動物たちの模様、本当に不思議ですものね。わかります。

最後に羊。これが一番好きです。

或日おれは檻の羊に、いろいろな本を食はせてやつた。聖書、Une Vie, 唐詩選、――何なんでも羊は食つてしまふ。が、その中にたつた一つ、いくら鼻の先へ出してやつても、食はない本があると思つたら、それはおれの小説集だつた。覚えてゐろよ。綿細工め。

聖書もなんでも食べたけど、芥川の小説集だけは食べなかったと。笑

やっぱり、芥川さん よきですね。

今度、羊を見たら

「綿細工め」

と言ってみたいな。



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