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出かけるのも悪くない

今日は、眉毛サロンに行ったあと、仕事用の靴を買うために百貨店へ。百貨店なんて、無印とかロフトとかに行くためにしか行かないから、いつも緊張する(特に、1階の化粧品売り場を通り過ぎるとき)。

靴売り場で「〇〇の防水のレースアップシューズ、置いてますか」と訊いたら、はて?という感じで別の店員さんに訊いてほしいと言われる。あら、なんか訊く人間違えたかしらと思いつつ、別の方に聞くと、あると教えてくれた。どうやら先ほどのおばさまは、私が探していた靴のことは詳しくなかったみたい。

靴はあったけど、残念ながらほしいサイズが無かった。せっかく定期外の電車に乗って、三連休の最終日の人が多いなか出かけたのに残念だ…と思いつつ、そうだ、今日は靴は買えなかったけど、いいもの買えたじゃない、と自分を励ます。

それがこちら。

青森ヒバとさくらんぼ


百貨店に行く前、駅のなかになぜか青森の物産店があって、そこで買った。ちょうど電車のなかで「津軽」を読んでいたから本当にタイムリー!

しかも、ちょうどしおりを挟んでいたのはこの場面。

この山脈は、全国有数の扁柏の産地である。その古い伝統を誇ってよい津軽の産物は、扁柏である。林檎なんかじゃないんだ。林檎なんてのは、明治初年にアメリカ人から種をもらって試植し、それから明治二十年代に至ってフランスの宣教師からフランス流の剪定方法を教わって、俄然、成績を挙げ、それから地方の人たちもこの林檎栽培にむきになりはじめて、青森名産として全国に知られたのは、大正にはいってからのことで、まさか、東京の雷おこし、桑名の焼きはまぐりほど軽薄な「産物」でもないが、紀州の蜜柑などに較べると、はるかに歴史は浅いのである。

(太宰治『津軽』角川文庫 p.53)※太字は記事作成者


ここ、読むたびに面白くて笑っちゃう。太宰は、青森の名産はりんごなんかじゃない、と力説している。

私なんかは全然青森ヒバのこと知らなかったから、へぇそうなんだ、くらいに思っていなかったけど、こうやってお店に置いてあると おお本当に名産なんだ、と思う。

このヒバ、めちゃくちゃいい香りがしてびっくりした。アロマオイルを人工的につけてるんじゃないか?と疑いたくなって、何回もかいでしまった。

最近、クローゼットに匂いがこもっている気がするから、ヒバになんとかしてもらおうと思って6個買う(6個で500円)。


さくらんぼはそんなに好きじゃないけど、太宰が好物だというのは、地元のおいしいさくらんぼを食べていたからか?と思うと、青森のさくらんぼを食べてみたくなって買った。


今日は、欲しかったものは買えなかったけど、偶然の出会いがあった。休みの日に出かけるのは人が多くて暑くて好きじゃないけど、時折こういうことがあると、出かけるのも悪くない、と思う。

三連休最終日の午後は、さくらんぼをつまみながら、家でまったりするのだ〜。
みなさんもよい1日をお過ごしください。

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