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【睡眠中エネルギー消費と老化】
Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!
・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!
前回は、黄体期の睡眠中におけるエネルギー消費の変化についてお伝えしていきました!今回は、老化による深部体温の変化とエネルギー消費について考えていきます!
老化に伴う深部体温の変化
睡眠の質は、老化とともに低下することがわかっていて、覚醒の増加と徐波睡眠の短縮により睡眠効率の低下してしまいます。質の低下に関わる要因はいくつか考えられますが、その中に体温調節機能の低下が挙げられます。
体温は食事と運動の熱発生として食物摂取と身体活動の影響を受けますが、その影響がなければ深部体温は1日周期のリズムをもっています。覚醒後に上昇し、夕方16時ごろにピークに達します。その後徐々に低下して就寝後にさらに低下して最低となります。そして覚醒前に上昇し始めます。
しかし老化に伴い、深部体温の概日リズム振幅は変動してしまいます。主に夜間の深部体温が上昇することで高齢者では変動幅が減少してしまうようです。この深部体温の上昇が、睡眠の質を低下させる要因となってしまいます。変動幅がはっきりしているほうが、メリハリがついて起きる寝るのタイミングを身体が掴みやすくなるので、日中はしっかり活動してリズムに沿うよう深部体温を引き上げることが効果的と考えます!
エネルギー消費の変化
体温の変動に伴うのがエネルギー消費量です。人間の生涯を通じての毎日のエネルギー消費量は20歳から60歳まで安定していますが、60歳以降に有意に減少し始めることがわかっているようです。
20代と30代の被験者において、睡眠中のエネルギー消費量は2つの年齢層で類似していましたが、利用される栄養素は異なっていたことが報告されています。タンパク質の酸化は2つのグループ間で類似していましたが、20代の被験者と比較して、脂質の酸化は低く、炭水化物の酸化は20代の被験者よりも高くなっていたようです。つまり、老化に伴い、脂質の代謝による熱産生が少なくなり、炭水化物の消費が多くなることが考えられます。脂質を利用する褐色脂肪細胞の機能が低下するため、脂質が身体に溜まりやすいと言えるでしょう。これによる体型の変化は、睡眠にとっても悪影響を及ぼしかねないので、食事面の注意も忘れてはいけません!
参考文献
Seol J, Kokudo C, Park I, Zhang S, Yajima K, Okura T, Tokuyama K. Energy metabolism and thermoregulation during sleep in young and old females. Sci Rep. 2023 Jun 27;13(1):10416. doi: 10.1038/s41598-023-37407-3. PMID: 37369712; PMCID: PMC10299995.
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