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heldioリスナーに届けるしおのはなし#11 令和6年5月28日 NHKEテレ「3ヶ月でマスターする世界史」を観ていたら…

 4月からNHKのEテレで「3ヶ月でマスターする世界史」という新番組が始まった。これまでの「高校世界史」(現在も放送中)は、教科書の単元ごとに進むので文字通り教科書的。一般人が世界史を楽しんで学ぶというニーズと離れていたが、この新番組は教科書から離れて番組自身を楽しんで視聴できる。
 NHKのホームページはこの番組を次のように紹介する。「世界史は地域や時代ごとに話がバラバラに出てきて難しい…。そんなイメージを払拭するのがこの番組。」「世界史をアジアからの視点で捉え直し、身近に感じながら、古代から現代までの歴史の大きなつながりを描いていきます。」
 たしかに、テーマごとに世界を横断的に見ていく構成なので面白い。勉強している感覚もなくドラマを観る感覚で視聴できるので一般人向け。そして先日、第7回の録画をビールを飲みながら視聴していると、な・な・なんと「塩」が現れた!
 ざっと紹介すると…モンゴル帝国を誰が動かしているのは商人であった。彼らを使って帝国全体を豊かにしたのだ。それを可能にしたのが紙幣…「元」では有価証券も流通していた。塩との引換券「塩引(えんいん)」である。塩を取り扱う商人は役所で購入した塩引と引き換えに当時高額だった塩の現物を手に入れ、さらにその塩引を用いて紙幣よりはるかに高額な商取引を行っていた。ちなみに、塩以外にお茶の有価証券である茶引(ちゃイン)もあった。塩も茶も需要と供給がなくならないので信用があるから。と、まあこんな感じ。
 「塩引」知らんかった😢ググると通販の塩漬け魚ばかり出てくる、ということはそれほど周知の事実ではなそう、ということで一安心。古代ローマにおける兵士の給料が塩だった。塩=salt、salからサラリーマンという言葉が生まれた、程度の情報は持っていたのだが…悔し紛れに貨幣の起源について改めて考えてみると…。
 貨幣の起源については、従来の物々交換から始まったとする説に対して、「物々交換や物品交換の発展形としてできたわけではない。人々の取引が債権と債務から成り立っているという認識は貨幣以前からあった。差額の決済として貨幣が誕生した。広く交易を発展させるために貨幣は生まれた」という説も登場、貨幣の起源の議論は混沌としている。
 この番組で「塩引」が有価証券と紹介されている点に注目したい。先ほど、古代ローマの兵士の給料が塩だったと記したが(そう書かれているケースが多い)、塩を仕入れる際の有価証券であったと考える方がイメージしやすい。持ち運びやすさはもちろんだが、金との交換を前提として紙幣が作られた、とするより、塩を購入するための有価証券であった「塩引」がその利用可能性の高さから他の商品の購入にも使われるようになり紙幣の役割を果たすようになった、と考える方がわかりやすい。しかも、有価証券を販売する行為を通じて税を徴収できるので国にもインセンティブがある。
 ちょっと何を言ってるのか分からなくなったが、ともかく、塩は経済においても重要な役割を果たしていた!ということをご理解いただければ幸いな〜のだ。

 「塩引」についての詳しい情報は次のリンクを。


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