ケモノの医者の体験談 vol.15 いよいよ正社員!
A動物病院を卒業し、T動物病院で働かせてもらえるようになって初めて正社員としての獣医師になりました。
基本給は17万円、獣医師手当が1万円、皆勤手当が1万円、賞与は年1回で1ヶ月分、病院定休日が平日に2日間、有休は7日でした。
個人経営ということもあり当時は社会保険加入はなかったので国民健康保険でしたが、雇用保険というものに初めて入りました。
ますます分刻みのお迎え攻防
次女が通っていた保育園は自宅のすぐ近くでしたが、敷地の下に遺跡があるとかで高い建物が建てられず平屋のような造りだったため、0歳から3歳児までしか保育できない園でした。
そこでいずれ転園することが必須だったわけですが、あわよくば長女のいる保育園へ転園して二人一緒になるよう長いこと希望していました。長女の保育園は少し遠いところにありましたが、送迎を考えると一か所に集約したい。
T動物病院に勤め始めてすぐ、長女が自宅団地の敷地内の保育園へ転園が決まりました。喜んでいたのもつかの間、何と次女が自宅前にある3歳児までの保育園から長女がもといた遠い方の保育園に転園することになりました。
確かに次女はいずれ転園しなければならないのだけど…。なにも入れ違いにならなくても(泣)
これまではなんとか時間調整ができて、長女は自分で迎えに行っていたのでファミサポさんを頼んでいませんでしたが、T動物病院はどうやってもお迎えが間に合いません。
仕方なく遠い保育園になった次女はそちらのほうで新たにファミサポさんを探し、入れ替わるように自宅団地の敷地内の保育園に転園した長女は、これまで次女をみてくれていたファミサポさんにお願いすることにしました。
病児保育について
仕事中に保育園から発熱などでお呼びがかかった場合、ファミサポさんが迎えに行ってくれるのか、それともやはり自分でいかなければならないのか。
これについては自治体ごとに対応が異なり、私が住んでいた自治体は、私が利用していた20年ほど前は対応していましたが、どうやら今は病児保育は別途専用の施設で対応しているようでした(そこまでは親が連れて行かないといけない)。
対応してくれている自治体では、ファミサポさんが子供をかかりつけ医に連れて行ってくれたり、あるいは親が変えるまでご自宅で療養待機させてくれていました。
現在、自治体によってはかかりつけ医の受診後に在宅での療養OKとなった場合のみ病児保育OKとしているなど、条件もさまざまなのでお住いの制度を確認しておくと良いと思います。
ファミサポさんはお仕事をリタイヤしたり、専業主婦でも子育てを終えている方など比較的シニア世代の方が多かったので、いまコロナ禍のこの時代では病児保育など絶対に敬遠されてしまうようなことですが、対応していただけることは本当にありがたかったです。
勤務条件を徹底!
T動物病院には仕事のお声がけをいただいたこともあり、人生で初めて後ろめたいことなく堂々と勤務条件を伝えることができました。といってもお給料面ではなく…。
A動物病院は日曜休診で、平日に1日お休みを貰うことでの週休2日制でした。それになれていたこともあり、長女ももうすぐ小学生になるし、やはり日曜日休みは死守したいと思いました。
T動物病院は平日に2日間定休日のある病院でしたが、その日の入院患者さんや院内飼育動物のお世話はT院長が1人でやっていました。
そこで、平日2日間のどちらか1日を私が担当する代わりに日曜日をお休みさせてもらうことにして、T院長からOKを貰いました。
人生初の契約書と就業規則
T動物病院は個人経営の病院でしたが、就職するにあたり契約書をかわし、その後に就業規則が記載された冊子を渡されました。
本来は先に就業規則じゃないの?と思えなくもないけど…。
でも当時はそもそも就業規則すらなく契約書もない病院がほとんどでした。
今でこそ企業病院が増えたり、時代の流れなどもあって個人病院でも就業規則や雇用条件などしっかり確認してから契約を交わすスタイルが一般化しましたが、私の人生で初めての契約書と就業規則。
正社員になるのも初めてだったので、契約の確認などには慣れておらず就業規則もさほぼ気にせず軽く読んで保管していました。
普通に働いていればこれらの書類に出番はないのかもしれない。でものちのち「ああなるほど…」と身につまされることになるのでした。