![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167428707/rectangle_large_type_2_47f2d8aa98f001e830edadfaf24325f6.png?width=1200)
読書記録「月影の乙女」
乾石智子さんの新作「月影の乙女」、なんとか読了。大作だったので、正直読むのは 骨が折れた😇(その分、乾石さんの描く ファンタジー世界を、思いっきり堪能できましたが…🧙🐉✨️)。
さて。この文章を読んでいる方は、乾石智子さんをご存知でしょうか?
日本のファンタジー作家といえば、近年では「精霊の守り人」の上橋菜穂子さんが 有名でしょうか。それから 「十二国記」の小野不由美先生も、 広く認知されていますよね。
おふたりの作品も、とても素晴らしいのですが。私が個人的に薦めたいのは、「夜の写本師」で、華麗なデビューを飾った 乾石智子さんの作品です。
ファンタジー大好きな私ですが、「夜の写本師」を読んだとき、頭に稲妻が
走りました😚⚡️。私の求めていたファンタジー世界を、書いてくれる作家さんが現れた!!…って。海外の作家さんでは、亡くなった マーガレット・マーヒーの作品を読んだときも、同じく頭に稲光でした💎✨️。
魔法が出てくるような ファンタジー作品って、「ハリー・ポッター」以外にも、 おもしろい作品は いっぱいあるので、ぜひ 手に取ってほしいんですよね。
さて。じゃあ 乾石さんって、どんな物語を書いているの??となりますが…。全部がそうじゃないけれど、たいていは 国と魔道士を骨格に、物語を書いていらっしゃることが多いです。
物語の舞台は、乾石さんが創造した 中世?の異国というか…(映画版の「指輪物語」的な世界を想像してくれれば OKです。人々の生活水準が、だいたい あのくらい?いや、王都があるし港もあるから、それ以上には繁栄しているかな…)。そうして、ファンタジー作品ですので、 科学の代わりに、魔法がある。
私が 国と魔道士と書いたのは、科学の発展がないということは、軍事力=魔法となるからです。国の興り、国の繁栄には、魔道士が必須なのです。
国民が安寧に暮らす国には、賢王を見守る、宮廷魔道士の柔らかな瞳あり。
路端に 恐怖が張り付く国には、傀儡の王を操る、悪しき魔道士の微笑みあり。
デビュー作の「夜の写本師」は、王が完全に飾りとなって、闇の魔道士が支配する 差別がはびこる国・エズキウムが舞台となっていました。
今回の「月影の乙女」は、主人公のジルという女の子が、<フォーリ>という 魔道士団に入って、国を守るために闘うお話し。
舞台は、ここ30年ほどで、ようやく大国アトリアの支配を除け(かつては植民地のような状態だった)、独立国として 繁栄の道を辿っている ハスティア大公国。
<満てる海>に浮かぶ 小さな島国である ハスティアが、なぜ これほどにまで繁栄できたのか? その理由は、国の礎を作った豪族 ハスト家が拓いた貿易航路、マステル銀という特殊な銀と その加工技術、そして 国の防衛の要となったのが、魔道士団<フォーリ>の存在です。
物語は、とある事件によって、 自身の魔法の力を爆発させた ジルが、
<フォーリ>になるための訓練校へ、スカウトされるところから始まります。入学の選抜を司るのは、<真実の爪>という特別なイリーアです。
イリーアって??
イリーアとは、動物のような、精霊のような、ハスティアの大地にしか存在しない 不思議な生き物のことです。
この イリーアの存在が、「月影の乙女」を、他のファンタジー作品とは、
ひと味 違った味わいにしているので、ご興味ある方は、ぜひ本書を 手に取って、 乾石さんの世界に浸ってみてください。
はーー、この「月影の乙女」、本当にたっぷりと、読み応えがある物語でした😫。幼かったジルが、仲間と共に成長し、なんとか一人前のフォーリになり、戦禍に泣き、悲しみと後悔を味わい、そして最後は…。
おおっと!つい結末をペラペラと話したくなりますが、ジル同様、自制の手綱をしっかり握っておいた方がいいでしょうね。
「月影の乙女」。分厚くて、読むのに 胆力がいりますが、気になった方は ぜひ ご拝読ください。ただ 単に ジルの成長譚というより、ハスティア公国の歴史書!!みたいになっていますよ。
愛らしくも不思議なイリーアたちと、月と大地が、ハスティアの人々に与えた 魔法の息吹を、ぜひとも感じ取ってほしいです。
乾石さん、気になるけれども、長編を読むのは きついな…という方は、
「オーリエラントの魔道師たち」などの 短編作品を手に取ってみてください😊。
では。読んだくださった方、ありがとうございました🌞✨️。