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桜が散る頃、桜咲く

東京では早くも桜の葉っぱが覗き始め、桜の花びらは空を舞い始めますね。
東北に住んでいた頃には、3月中に桜がこんなに散る頃はなかったのでなんだか毎年不思議な気持ちになります。「まだ、3月なのにな〜」って。
(※3月末に書いてました)

私の高校のアルバムにある1年生の時のクラスの写真。4月の第2週か第3週目に撮ったかな?その写真の背景にある桜、超満開。「今です!今最高な時です!」な状態です。だから桜って入学の時のもので、卒業の時には関係ないものだと思っていました。
東京生まれの子に聞くと、「卒業式は桜満開、入学式にはもう葉っぱ」と言っていて口があんぐり開きました。「ええ?入学式の時に桜の方が、おめでたい感あっていいじゃん。」と。「え〜?卒業式の方が華やかに映るよ。」なんて言ったりして。でもよくよく考えたら、どっちも其々おめでたいイベント。うーん、桜、もう少し長く咲いておいてくれ。めでたいからさ。

そんな会話をしたことを思い出しながら、桜が宙を舞う様子を見てました。
それはそれは緊張した状態で。
その緊張度合いといえば、
「大学の推薦入試で面接室に入る直前」くらい、
「親に浪人決定を伝えなきゃいけない時」くらい、
「上司にめちゃくちゃ重大なミスを発見して伝えなきゃいけない時」くらいにはバックバク。

目の前には仕事に戻りたい夫の手を鷲掴みにして離さない私、困った顔をした夫。
怪しそうにこっちを見つめる店員さん。カオス。

そう、私はこれから復職可否面談に臨む直前でした。
今回の面談で「可」が降りなければ、私は会社の規定に則って退職しなければならないというとっても重要な機会。

妻である私、今後の家計のことを考えてド緊張。
夫よ、去らないでくれ。
なんなら一緒に来てくれ、面談室まで。
なんなら代わりに答えてくれ。

そんなことも叶わず夫、離脱。
スターバックスの中でカチコチの私ができあがる。
面談まであと20分という絶妙な時間で、手元にあった飲み物は緊張ですぐ飲み干してしまったので、仕方なしに会社の周りをソワソワとしながら歩き回る。

私はコロナ禍入社で、自社のオフィスに行くのは人生で初めて。使い勝手も知らないので妙に緊張もしちゃう。入ってしまえば単なるオフィスなんだけど。
もし面談で復職不可となったら、一度もオフィスに入らず退職することになると思い、対面面談を希望した自分をちょっとだけ恨む。すごく緊張するのも加味してよね、と。

時間になってすんなりと部屋に通され、ここ1年の大体の経過分析と自分なりの今後の対策等を産業医に向かって精一杯話す。
なんなら資料まで作成して、プレゼン方式でアピールまでした。この面談に向けて周りのサポートも受けながら練習してきた。

ここまでやって、冷静に全力を出さなければ
「退職」の2文字の結果になる。それだけは避けたいという気持ちを込めながらちゃんと質問に答える。



「…うーん。良いんじゃないんですか?Umiさん、元気になられましたね。」



ワ、ワワーッ!!!!!!(ちいかわ)
退職回避ッ!!!!!!!!!!!!
やったよ!やったよ、夫!!!!!!
家計に貢献していくよ!!!見てろよ!!!


と、叫びたい気持ちを抑えて、まあね〜みたいな顔しながら「ありがとうございます」とお辞儀なんかしちゃって。


「じゃあ、次回最終回という事で。まあUmiさんのこの調子ならもう問題ないと思いますけどね。」





……
………
もう1回あるの??面談????
あれ???1回目の復職の時と違う????



ぬか喜びしたのも束の間。
担当者間のコミュニケーション齟齬があったらしく、私が今日受けたのは復職可否面談ではなく、普通の産業医面談だった。
私自体は復職可否面談も担当の産業医としか面談しないので、何にも疑問に思っていなかった。

カチコチだった自分がおかしく思えてきた。
ちょっとマスクの下でニヤニヤしてた。
めちゃくちゃ真剣にプレゼンしたけど、今回じゃなくてよかったじゃん。
肩の力が抜けに抜けまくって猫背になった。

真剣にプレゼンして悪いことなんてないから、良いんだけど。先生絶対「今日なんか張り切ってるな〜」って思っただろうなぁ。

一瞬だけ、担当者のみなさんしっかりしておくれ。
とは思ったけど、今日しっかり「大丈夫だ」と言ってもらえた事で次の面談はリラックスして挑めそうです。フゥ〜〜〜〜。

次こそは、桜が咲くでしょう。

Umi

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