ちょっとした不便さを愛し続けたいので。
4年半ぶりにアメリカという地に降り立つ。
ちょっと甘い香水に、ちょっとした埃の匂いと、日本では違法な草の匂いがブワッと私を迎え入れてくれた。すでに懐かしい匂いだ。
私は結構この匂いが好きだったりする。日本には無いこの不思議な街の香り。
私はすっかりアラサーだというのに、この匂いだけで自分が大学生であるように錯覚してしまう。機内でアメリカ大陸が見えてきたあたりから、胸が高鳴り、国際遠距離をしていた夫に会える嬉しさで機内で涙が込み上げてきたものだった。でも今回は隣に夫がすでにい