【詩】夏の日の記憶
線香花火に
ふたりで同時に
火をつけて遊んだり
わがままを言って
困らせたりもした
花火大会で
差し出された手のひらも
星座のかたちを
ふたりで考えていたことも
抱きしめられたことも。
もう逢うことはないけれど
夏の日の記憶は
何年経っても鮮明で
思わずわらえてくる
きっとあなたは
あの頃と
変わらないところと
変わってしまったところを
持ちあわせながら
生きているんだろう
もうすぐ
あなたと過ごした記憶とは
ちがう夏がやってくる。
【35歳の居場所】
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