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【詩集】月のぬくもり、星のなみだ。

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10代~20代に描いた詩
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2022年9月の記事一覧

【詩】またね

【詩】またね

またね。は
さよなら。ではない

またね
また会おうね

約束のことば

次はいつ逢えるんだろう
でも、そんなことはいいや。

また今度 逢えるから

【24歳の葛藤】

【詩】傘

【詩】傘

雨の音がした。

昨夜の天気予報で
朝から雨が降ると言っていたので
まさしく予報どおりの天気

ときどき、雨に打たれたくなる

そう思うときは
傘なんて無意味な道具で
自己嫌悪に陥ったとき

土砂降りの
冷たい雨のなかに立ちながら

それでも
誰かが傘を差しだしてくれるのを

待っているんだ

【22歳の記憶】

【詩】やさしいね

【詩】やさしいね

―君って優しいね。
そう言われる度に

―うれしいな。
と笑ってみせたけれど

あなたの言う
私のその優しさはつくられたもので
本当の優しさじゃないの

本物の私も知らずに
教えることもしなかった
おとこのひと

―君って優しいね。
そう言われる度に
偽りの優しさが積み重なり
偽りの自分が築きあげられてゆく
そんな気までしてしまうの

だからもう
これ以上私のことを
優しいね。なんて言わないで

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【詩】よる

【詩】よる

覚えたての
たばこは上手に吸えず
煙だけが宙に浮かぶ

今日みたいに
なんとなく淋しい夜は
あなたが居たらいいのに

そんな夜なのに。

覚えたてのたばこが
ちっとも上手に吸えないまま
煙だけが宙に浮かんだ

こんな夜には

感情を
うまく言葉に
出来ればいいのに

上手に眠ることが
出来るだけで

それだけでいいのに。

【20歳の躓き】

【詩】ベンチ

【詩】ベンチ

すくなくとも
私たちはあの頃
付き合っていた。

公園の木陰の
ベンチに座って
他愛もない話で盛り上がって
笑っていたよね

だけど

夏が終わる頃
ふたりの関係に
終止符を打った

すくなくても
私はまだ好きなのに

公園の木陰の
ベンチに座っても
他愛もない話すら出来ずに

片方だけ
好きなだけではだめで
彼も自分と同じ気持ちではないかと
期待してもだめだった

すくなくとも
私たちはあの頃

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