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就活が変わると企業の中身が変わる。インターンシップが変わります!
水たまりに水が流れこむ。
最初はちょろちょろと。
すると淀んだ水は押し流されていく。
やがて水は澄み、それが溜水だったことさえ人はいつしか忘れてしまう。
普通
日本の就活には、もはや普通はなくなった。
経団連だって就活を手放した。
4月1日の面接解禁が8月になり、さらに6月となって、その間、企業は「インターンシップ」といいつつ会社説明会を開いてきた。
だから、もう収集が付かなくなったのだ。
いま残るのは、大手就職ナビサイトの新卒採用求人の応募受付が3月1日、ここだけ。
日本経済新聞2022年6月14日「間違った就活改善運動」海老原嗣生
もはや日本の就活に普通はないのかもしれない。
日本のインターンシップ
政府は「インターンシップ」のルールの見直しをした。
2023年度以降、インターンシップに参加した学生を採用の判断材料に加えていいとしたのだ。
新ルールでは、
●就業体験を行うこと。
●期間は、短期では5日間以上、専門性を必要とするものは2週間以上。
●その期間の半分を超える日数、職場体験をすること。
NHKNEWSWEB2022年6月14日 4時56分
というもの。
これまでのインターンシップは、会社紹介や説明会のようなものだった。それが変わるという。
欧米のインターンシップ
NHKのラジオ英会話で、米国でインターンシップをする女子学生の話しを聞いたことがある。もう数十年前のことだ。
ただ意味がよく分からなかった。
英語力の問題もあったのかもしれないけれど、未知の情報だったということの方が大きかったと思う。
日本とはなんだか様子がぜんぜん違うのだ。
その女性の学生は、まるでキャリアウーマンのようにテキパキと仕事をさばいていた。しかも、その女性にぴったり寄り添って仕事を指導する職場の先輩がいるわけではない。その学生さんは、職場の人がこなすタスクを普通にこなしていた。とても大人びていると感じた。
これには驚いた。
その後、上司から「よかったらうちに来ませんか?」と言われていた。
そう、採用するのは人事部ではないのだ。
これにも驚いた。
インターンシップでみえてくるもの
欧米のインターンシップは、職場で働くだけの力量のある学生を探すのが目的。
だから学生は就職したい職場で数か月働く。もちろんその間の学費と掛かる費用は税や企業がカバーしてくれる。幾度もインターンシップを経験する学生だっている。
とはいえ、これは今の日本の労働法ではまだ許可されていない働き方。
それにしても似ているようで欧米と日本ではこのインターンシップがかなり違う。
それは働き方が違うから。
日本では「メンバーシップ型」といわれる年功序列が中心。だから新卒一括採用で、教育をしながら若者は仕事を覚えていく。
けれど欧米の働き方は「ジョブ型」。彼らが新卒の学生に求めているのは実践力。
空いたポストの仕事をこなす力があるかどうかが今問われる。学生とか職歴があるとか、そんなものは関係ない。
なかなか厳しい社会だと思う。
インターンシップ格差
数年前、ドイツの女性からインターンシップのちょっと悲壮な話を聞かされたことがある。彼女はまだ学生で、お兄さんがなかなか就職できないとこぼしていたのだ。
彼はくり返しインターンシップをするけれど就職できないという。もう30歳を越えているというのだ。
そう、インターンシップとはいいこと尽くしではない。
確か、欧州で学生のデモがあった。その理由がインターンシップだった。
欧米のインターンシップには恐ろしいほどの格差があるという。日本は学歴社会だといわれるけれどその比ではない。欧米では若者が良い大学を今も目指す。その先にあるのは就職。しかもいい大学でさらにいい成績をとりたがるのも就職のため。
つまり、欧米のインターンシップは実に狭き門だということ。しかもエリート学生が断然有利。そこから外れるとインターンシップがまるで雇用の調整弁のような、短期の非正規雇用者として使われるという現実があるという。
優秀で即戦力になる若者を採用する企業。しかもその門は、ほんとうに狭い。だから欧米では学生が必死で学ぶ。
そして若者の失業率がおどろくほど高いという現実もある。
おわりに
日本の終身雇用制では企業に力がなくなったといわれはじめて久しい。そこでようやく政府が、そして企業が、変わろうと動き始めている。
だからこそ見ておく必要があると思う。小さな変化のようでも、そのことに気づいていないと、数年で景色がすっかり変わることだってある。大事なことは、当事者がそれを知っておくこと。
※最後までお読みくださりありがとうございました✨
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