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家の中でも自立はできる
昨日の記事の中で、パラサイトについて書きました。それは、成人した娘が家に居ても、わたしはいいと思っているという内容です。
実は、もう少し詳しい内容を昨夜LinkedInにアップしています。すると、色々なコメントが寄せられました。ちょっと興味深かったので、その内容を、少しご紹介してみたいと思います。
実際、わたしは娘が社会人になる直前、自分の娘に対して、
「出て行ってもいいし、このまま家に居てもいいよ。でも、もし家にいるのなら、家事を手伝って、家賃は入れてね」
と伝えています。まあ、娘に金銭的な事を伝えるのはちょっと大変でしたが、こうしたことは最初が肝心です。もちろん、言いにくいことは夫婦ではわたしの当番です笑。結果、彼女は今も一緒に暮らしていて、毎月家賃を納めています。
すると、こんなコメントが届きました。
自立と言っても一人暮らしだけが正義なわけではなく、同居しているからこその自立の仕方があるのですね
これは、現在大学に通う女性からのコメントです。
それに対してわたしは、
言葉の力は大きいと思っています。パラサイトは米国の状況を日本に当てはめて使われていますが、問題も多いと思っています。母親にもできないことを、親が娘に要求するのはつらいですよね。親のメンツや世間体もありますし、流行り言葉が規範にならないといいなぁと思っています。
とお返ししました。
就職したのに娘が家にいるなんて恥ずかしいというママの言葉を聞いたことがあります。ですから、わたしは子どもにどちらかを選んでもらいました。働き始めたら一人前、自分のことは自分でするのが立派であり、そんな立派な子育てをしたママは立派、という理想ならわたしにもわかります。
けれど、日本にこのパラサイトという言葉は、特に女性の多くには当てはまらないと思っています。
ちょっと考えてみると分かると思うのです。ママとて、一人暮らしができるほど収入のある人は少ないはずです。だって、女性が稼げない社会なのですから。そんな社会に娘さんを出して、仕事も相当にハードだというのに、
「社会人なんだから一人で暮らしなさい、そして、あなたが借りた奨学金でしょ、あなたが返しなさい」
では、とてもじゃないですが、娘たちは食事だって満足に摂れなくなります。時代はどんどん変化しているというのに、新しい学びなどする時間もありません。なんだかすり減っていくばかりで大変です。
まあ、家が嫌な娘さんは別なのですが。
こうした内容に対して、ポーランドにお住いの方からコメントが届きました。
ポーランドには男女平等はありません。女性が仕事を見つけるのはより難しく、仕事を見つけたとしても収入は少なくなります。企業の取締役や政界に女性はごくわずかです。私たちはヨーロッパにいます。
これは、わたしが文章の中で、日本の女性は欧米のように男女平等ではないと書いたことに対する意見でした。
このポーランドの人のコメントに、わたしはこんな返事を書きました。
世界経済フォーラムの「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数2024」では、両国の教育機会はほぼ同じですが、経済参加と機会については、ポーランドが0.712点、日本が0.568点となっています。
不平等だと訴えるポーランドのジェンダーギャップは、経済面で見ると、日本より遥かに男女格差が小さいのです。そんな国の人すら、不平等で苦しんでいると言います。
ここなのです。女性が男性の半分ほどしか稼げないこの国で、若い女性を欧米と同じように扱うのはちょっと違うと思うのです。
もしそうした立派な娘にしたいのであれば、わたしたち親世代が世の中をちゃんと変えようと動かなければ、女性は大変過ぎるとわたしは思っています。セーフティネットがほとんどない社会です。娘たちを守りたいとわたしは思っています。
昨日は、そんな会話が出来たことが良かったと思っています。
※最後までお読みいただきありがとうございました。