
旅のあるある。荷物がない!あなたは諦める?諦めない?
日本を離れると本気で交渉しなきゃならない時がある笑。
出国より今は入国!
567でご無沙汰だった夫の海外出張がはじまるという。
ただ今どきの出国にはいろいろとやっかいな手続きがあるらしい。スムーな帰国を望むのなら出国前にやっておくことがある。
●出国の2週間前までにワクチン3回接種。
●役所でワクチン3回接種済みの証明をだしてもらう。
そういえば、ちょと前にハワイに遊びに行った知人は、現地で帰国の際にPCR検査で陰性証明が必要だったといっていた。
いろいろと緩和はされたけれど、世界一入国が厳しいともいわれるこの国、今はちゃんと証明が必要らしい。
スーツケースが出てこない!
海外へ行く、それだけでもう素晴らしい経験だと思うけれど、時にわたしたちは珍事にまきこまれる。
わたしたち家族は数年前アメリカへ行き、帰りにグアムに立ち寄り一泊した。グアムが変わったと長いお付き合いのある美容師さんにいわれて気になっていた。そういえばもう10年近く行っていない。
で、目的のグアムに到着した。
ところが待てど暮らせどわたしたちのスーツケースが出てこない。
だんだん心細くなってきた。
なんだか色の無い荷物受け取り場。そんなことが気になりはじめた。
そして、ついにそのコンクリート色の荷物受け取り場には誰も居なくなった!
荷物がない!
そこから我が家の、いや、わたしのスーツケース探しがはじまった。
最初はすぐに見つかると思っていた。
なにしろ、わたしは客人に親切丁寧な日本の空港を出てきた人間だ。きっとどなたかが助けてくれるだろうと思っていた。
ところが皆知らんぷりなのだ。
もうお仕事終了とでもいわんばかり。
荷物を運ぶベルトコンベアだって止まった。
どうやらこれは最終便で、皆帰り支度をはじのかのか…。
そんなことを思ったけれど、わたしたちが手にしているのはポーチのみ。水着もなければ、下着も化粧品も、アメリカで買った思い出の品もない!
ここにはない!
で、2,3人に聞いてみた。わたしたちの荷物がまだ出てきていないと。
けれどどうだろう。彼らは両肩をあげて両手のひらを天に向かってあげるだけ。そう、日本とこれほど近いというのに彼らは米国人。お気の毒様、でもそれはわたしの仕事ではないってかんじ。
そこでわたしは一人の大柄の男性に的を絞った。その場を動いているのは彼一人。
慎重190㎝以上はあると思われる浅黒くて大柄な男性。彼はどこからみてもここの職員のユニフォームを身に着けている。
で、尋ねた。わたしたちのスーツケースがまだ出てきていないと。
すると彼はもう荷物はないという。もう終わりだと。
冗談じゃないとわたしは食い下がる。なぜないのかと。
すると彼は成田行きの飛行機に積み替えたのだろうという。
冗談じゃない。おろしてくれと食い下がる。
○○人気質
人の気質に国境ってあるのだろうか。こんな時、わたしはちょいちょい日本人の気質を超えると夫は笑う。
夫は「もういいよ」とあきらめた。けれど、わたしは諦めるなんてこれっぽっちも考えなかった。
そこからわたしはその場を歩く大柄の男性の横を小走りしながらずっと荷物を出してくれ!荷物をかえして!と言い続けた。
もちろん真剣だ。周りから見ると滑稽でも本気だった。
彼はもうここにはないよ、別な飛行機に積んだはずだよを繰り返すだけ。
だからあなたに頼んでいるのよ、とわたし。
そしてわたしは彼の横にぴったりとくっついて荷物!荷物!と繰り返した。
出てきた荷物
その夜、わたしたち家族は到着したホテルのレストランで祝杯をあげた。
あの大柄の空港職員が大きな黒いトランシーバーのようなもので誰かと話しはじめた。
するとものの4,5分でわれわれの荷物が目の前に現れた。
なんのことはない、面倒だったのだ。もう家に帰りたかっただけなのだ。
でもそれじゃ困る。
わたしはきちんと手続きしたし、成田じゃなくてグアムで下ろすよう間違いなく手続したと訴え続けた。
ただそこは同じ人間。なんとなくわかっていた。
あゝ、彼らはもう家に帰りたいんだなと。
刻まれる記憶
わたしのしつこさに夫も子供も呆れた。呆れ顔でもういいから、といわんばかりの態度で後ろを歩きはじめた。
けれど荷物が出てきた結末に家族は驚いた。
そしてこれは家族の記憶に刻まれた。
諦めちゃいかんな、と笑。
これが大事だと思う。みっともなくても時にはしつこく交渉しなきゃならない時がある。それが日本を離れるということ。
そう、わたしには他にもちゃんと成功体験があったのだ。
一人で海外へ行く、あるいは海外で暮らす。そんな時、女性はままこんなことに遭遇するんじゃなかろうか。
少なくとも、わたしはもうないよといわれたことが他にもあった。それは予約していた帰りの飛行機の席。それだって交渉してちゃんと帰れた。
交渉しなければ帰りの席は1か月後しか空いていないと平気な顔でいわれた。
場所はイギリス。
この話はまた別な機会で笑。
おわりに
どんなに旅に出ても思い出せない旅ってある。特にリゾート。もう部屋の様子やホテルの周りさえ思い出せない。
ただこうしたちょっとした珍事は鮮明に覚えている。誰にも迷惑がかかるわけじゃない。だから食い下がる。それをしなければグアムの人はただ忘れるだけ。そしてわたしたちはスーツケースを無くす。
だから旅はおもしろい。ここにいたんじゃわからない人の行動の違いや反応の違いを受け止められるから。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
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