![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/88754862/rectangle_large_type_2_9b9d4d1166eb4275d7ddd6b42990194b.png?width=1200)
【意識】女性は責任を負いたくないってホント? でも情報で人はかわる…はず
色々な人の声が聴ける、それがSNSのよさだと思います。
数日前、わたしは日本の男女の賃金格差は先進諸国の中でも特にひらいている、そんなお話しをしています。
そうしたところ、レターをいただきました。
ですので、今日はそのレターの返信をしてみたいと思うのです。
リスナーさんの声
レターを下さったのは女性です。
そこには、こんなことが書かれていました。
一部ご紹介させていただきます。
日本で役職に就く女性や政治家になる女性が少ないのは、なってもあまり得がないと思っている人が多いからなのかな?と考えます。
私がもし勤め人だったら役職はあまり就きたくないし、政治家にもあまりないたくないです。…こういう人は少なくないのでは?と思うのですがどうなんでしょう?
嬉しいです。
こんな率直な感想がいただけるのもSNSのおかげです。
ー--
このリスナーさんがおっしゃるように、同じような意識調査の結果がでています。
ちょっとご紹介してみますと。
管理職についての質問:「なりたい」「ややなりたい」という人の割合
女性32%
男性56%
そう、女性はやっぱり管理職になるより、バランスのとれた暮らしを望む人のほうが多いようです。
意識調査って…
ただ、わたしはよく意識調査ってなんだろう…と思うのです。
男女○○人に聞きました。そんな数字を見せられると、なるほどと思いますが、わたしはもう少し人に近づきたい。
たとえば…
この情報をもつ男女○○人に聞きました、とかね。
なぜって、意識って一口にいってもばらつきがあると思うのです。どこで暮らしていて、どこで働いている人なのか、そもそも問われた情報をしっかり持っているのか、なかなか見えてこないと思うのです。
ですから、事前に情報を持つと、調査結果は変わるのでは?そんなことを思って、過去にそんな調査をしたことがあります。
そうしたら結果が変わりました。
そして、調査にご協力いただいた方にいわれたのです。
もっと早くこの情報が欲しかった…と。
いわれたのは、まだ若い女性でした。
情報が手に入らない
ただ、情報が手に入らないってこと、あります。
え、日本で?
と思われませんか?
でもね、あるんです。
日本でも情報が手に入らないことがあります。
わたしは十数年前、男女の給与額が知りたいと思ったのですがみつかりませんでした。どの会社が男性にいくら支払って、女性にいくら支払っているのか知りたかったのですが、それがないのです。
で、わたしが手にしたのが東洋経済のCSR調査。
今はこの情報はネットでみられますが、当時は百科事典より分厚いデータ集積雑誌でした。デザインも白をベースにしていて、ちょっと素敵な本。
これは凄い雑誌だと思ったのです。十数年前にすでにCSR。
けれど…
けれど…です。
この東洋経済のCSRをもってしても、大企業で女性の賃金を開示されていたのはほんのごくわずかでした。
それもそのはず。
日本では、省令改正で有価証券報告書に男女別給与を掲載することが廃止されたのです。ですから、男女差別の大きい企業は、そのリスクを冒してまで性別の給与額を開示する必要は無かったのです。(それでも、この雑誌に開示されていた会社はとてもいい会社だとおもいました。)
企業の透明化
ところが、ここにきて国や企業の流れが変わってきました。
金融庁が、ついに有価証券報告書で企業に男女賃金格差を義務付けることにしたのです。
これは注目すべき変化。
振り返ると、1999年3月期まで有価証券報告書に男女別給与はでていました。それが途中で消えたのです。
ー-
といっても、この義務化は女性のためではありません。
これは日本の株式市場をオープンにするためのもの。
そのオープンにするためのルールが、金融庁のコーポレートガバナンスコードです。
そう、それは投資家に上場企業の確かな情報を開示するためにつくられたルール。
ー--
日本の上場企業の価値を上げたい。海外の投資家が買いやすくなるように情報をきちんと開示しよう、そんなふうに国が動きはじめたのです。
対象は上場企業など約4千社。
それが適用されるのは2023年度の有価証券報告書から。
ですから、まもなく上場企業は男女別の給与水準や女性管理職の比率などの情報を開示することになります。
東証の変化は2021年6月に書いています。よかったらお読みくださいね。
知ると変わる
情報に価値がある、それは国の考えの変化かからもわかります。
企業は経営者だけのものではない、今はそんな時代です。
企業は、株主や、社会、そして従業員のためのものでもあります。
ですから、見に行く、これはとても大切なことだと思うのです。
有価証券報告書に嘘は書けません。
開示する、それが上場企業の義務です。
ですから、女性も自分の働いている会社の男女の給与差を知る。おかしいな?と思ったら、他の会社と比べてみる。
きっと、意識がかわるのはそこからだと思うのです。
これから就活を考えている女性にも情報は必要です。理想ばかり求めても、入社してみると現実は書かれている通り。まずは、どんな会社なのか知ること、それがいいと思うのです。
おわりに
女性の意識って変わるのか、わたしもよくそんなことを思います。
管理職や政治家に女性はなりたくない、誰もがそう思っていそうですが、でも開示された情報を手にすると人の心は動くとわたしは思うのです。
ですから、まずは情報を取に行く、そんな変化が起こるといいなと思っています。
※音声配信でもお話ししました。よかったらお聴きくださいね✨
※最後までお読みいただきありがとうございました。