中国語
小学校の時、クラスに中国籍の子が何人もいた。
中には日本語を全く話せない状態で入学してきた子もいたので、先生や他の児童とのコミュニケーションを全くとることができないというケースもあった。
そんな中で、授業だったか、終わりの会だったか忘れたけれど、クラス全員で中国語の挨拶を覚えるという時間があった。
先生が模造紙に挨拶や数字の読み方を書き出してくれて、クラス全員が中国籍の児童に続いて発音する、というものだった。
初めて触れる、中国語。
日本語と同じ漢字を使っているのに、読み方が全く違うことが新鮮で、面白い!と思っていた記憶がある。
それに、普段授業にキャッチアップするのに苦労しているクラスメートが、みんなの先生役として中国語を発音している姿も印象的だった。
担任の先生も一緒になって、その子から学ぶ。
その光景もいつもと違う感じがして、好きだった。
言葉の分からない土地に引っ越してきて、授業についていくことができない、先生の指示が分からない中、クラスメートたちが自分の母語を覚えようとしている姿は、その子にとって心強く映っていたのではないかと、勝手に想像する。
昔の自分にとっては、ただただ新鮮で面白かったあの時間が、当人にとっては大きな意味を持っていたのかもしれない、と今になって感じた。
今日、中国語の検定試験、HSKを受験した。
4月から赴任する学校で、中国籍の子が在籍しているかもしれない。
その子たちにとって、少しでも居心地の良い教室を作ることが出来れば、と思う。
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