「良い」展覧会と「悪い」の展覧会の差を考えた話。

何事も「一流」に触れることは大切なことだと教わって以来、積極的に一流のものに触れる機会を探っている。ただ、「一流」にお目にかかれるのは奇跡的なこと。なので、できれば「良い」ものを摂取したいと思う。そして、久しぶりに満足感が得られなかった展覧会に行って、「良い」展覧会と「悪い」展覧会の違いを感じたので、三つの要素に分けて言語化したい。

1)展覧会の目的が定められていない

グループ展にしろ、個展にしろ、やはりキュレーションの有無で展覧会の質は大きく変わってくることを強く感じた。ただ作品を並べてみただけだと、展覧会を通じて新たに見えてくる世界がないままに進んでしまって物足りない。ただものを並べただけだと、物販と変わらないな、と感じた。

2)展覧会の趣旨が文章化されていない

1)と共通するところがあるが、やはり展覧会について、を言語化されてなんぼのもの感は拭えない。ただ、時折美術館の「はじめに」などが難解すぎてわからないことや、ポエティックすぎる文章だ、と批判されることもあるが、主催者がどういう意図で展覧会を実施しているのかをわかりやすい文章で語っているか否かは、いい展覧会を構成する上でとても大切だと思う。

3)アーティストのこと、作品のことを深く説明できないスタッフがいる

展覧会に足を運んだ人の多くは、展覧会で展示されている作品やアーティストに興味がある場合が多いのではないだろうか。それに反してスタッフがアーティストの略歴や作品について語れないのは悲しすぎる状況だと思う。

ただ、これは別のギャラリーに行った際に実際にあったことだが、スタッフに作品について訪ねた際に、「こちらの展覧会について説明した紙に書かれていますので、こちらをご覧下さい」とだけ言われた際は、買わない客は相手にしないというギャラリーの姿勢なのかもしれないが、絶句した覚えがある。

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