30代ゲイは心に猫を飼う
旅、英語と自分の好きなものの話をしてきましたが、今日も好きなものの話です。
今日は僕が世界で一番愛してやまない動物、猫のお話です。
僕は猫が好きだ。理由はとても簡単で、昔一匹の猫を飼っていたことがあるからだ。
小学2年生の時にその猫が家に来て、それから20年間を一緒に過ごした。
元々僕は動物が苦手だったが、小学生にもなると他人の家の猫を触れるくらいにはなっていた。
そんな拍子、何の前触れもなく母が貰ってきたのがその猫だった。
猫との生活が始まってから僕は猫が大好きになったし、生活の中に猫があふれるようになった。
小学校の図工で作る作品も猫。国語の作文に書くのも猫との出来事だった。
猫を飼っている担任の先生が作文を褒めてくれて、クラスで音読したこともあった気がする。
思春期になり悩みがあれば、猫にブツブツと話しかけた。
高校や大学、教員採用試験に合格すれば猫に喜びを伝えた。
働き始めて、うまくいかないことだらけの時もやっぱり猫にブツブツと話しかけた。
何事も最初からうまくいくタイプではない僕にとって、猫は大きな支えだった。
だけど20年目の冬、猫はとうとう天国に旅立ってしまった。
20年というのは猫の中でも決して短くない時間だったし、少しずつ老いていく中で覚悟はしていたので
意外と別れの事実をすぐに受け入れることができた。
ただ、猫と過ごす日々はもう増えず、猫がいない日々が増えていくことはとても寂しかった。
しかし、猫との20年間の上に自分の人生が続いていくと思うとそれはとても心強かった。
部屋に飾った猫の写真を見たり、お墓参りに行けば今でも心が温まる。
きっと大丈夫と強い気持ちをもつことができる。心に生き続けるという言葉は本当だと思った。
30代にもなると猫だけなく、祖父母など身近な人との別れの場面も体験するようになった。
また、先生をしていると毎年3月には必ず子どもを見送る場面がある。
猫は、別れは寂しいだけではないことを教えてくれた。
それだけ別れ難い何かに出会えることはとても幸せなことだと教えてくれた。
僕は今、その幸せだった時間はいつまでも忘れないようにしなくてはいけないと思っている。
そういう訳で、人生20年間に大きな幸せをくれた猫が僕は大好きだ。
ちなみに一人暮らしをしていると、猫(できれば黒猫)との二人暮らしを夢見ることもあるけれど
今の自分ではとても猫を幸せにしてあげられないとわかるので、その夢の実現は当分無理そうである。