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<うめのみ便り>名前のこと

こんにちは、うめのみ鍼灸室の佐田毬絵です。
窓の外でリスがくふくふ鳴いています。
ここは鎌倉の小さなお山のふもと。
朝から鳥たちがにぎやかで、揺れる木々の音が押し寄せてくるように感じられる所です。
この数週間でめまぐるしく色々な花が開き、草はぐんぐんと伸び盛り。
このほど、うめのみ鍼灸室を開室しました。

うめのみ、という名前の響き、ころりんとした丸い実が思い浮かぶでしょうか?
梅酒を漬けたり梅干しを作ったりされる方はたくさん並べた梅の実たちを見たことがあるでしょう。
手のひらに収まるくらいの小さなひとつひとつはすべすべとして、気持ちの良い産毛が生えています。
つん、とつつけばころんと素直に転がって隣の実にぶつかったりします。
みんなそれぞれ固さや色が異なっているけれど、なんとも良い匂いがして。
水に浸けると気泡をたくさんくっつけて、しっとり光ります。

丁寧に洗われ、ひだまりで乾かされている梅の実たちがころころしている様子は、私の思う健やかさそのものです。
丸くふくふくと笑っているような、ひとつひとつが幸せそうに潤っている。
うめのみ鍼灸室から帰る時、心も身体もそんなふうになっていただきたい。

硬く凝り固まった身体の時は、心も丸くはいられないものです。
逆も同じ、心がささくれている時は、身体の力は抜けません。
飾り気のない静かな治療室ですが、ここではただ洗われるだけの梅の実になったように気負わずいてください。
治療室から出たときに、気持ちが少し柔らかくなっているはずです。
あなたがころころと幸せそうな梅の実に戻れるように。
そんな名前のお話でした。
いつでもこちらでお待ちしています。

2023.4.25 曇り晴れ


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