絵本の中の素敵なお父さん 「ほかになにもできなくてもいいから、おまえのようにわらってみたいよ」
ちょっと意外な絵本が子供たちの神絵本に殿堂入りすることがあります。
兄妹でお気に入りで、母の私も何だか好きで、何度も繰り返し読んだ絵本があります。
それが「もりのなか」と「またもりへ」
古くから読み継がれてきた名作絵本です。「はらぺこあおむし」や「ブルーナのえほん」のようにポップでカラフルな色彩の絵本ではなく、全ページモノクロで描かれている絵本です。地味で華やかさはないですが、長く読み継がれてきただけあって、子供たちの心をしっかり掴んでいきました。
なぜ、この絵本が好きなのか?
この絵本の魅力はお父さんなんです。この絵本のお父さん、素敵なんですよね。登場するのは後半ほんの少しだけなのに、とても印象的なのです。
「おとうさんだって、ほかになにもできなくてもいいから、おまえのようにわらってみたいよ」
というセリフがとても好きです。子供の笑い声って特別なんですよね。その時代だけの特別なもの。何か特別なことが出来るよりずっと特別なんですよね。
お父さんが迎えにきたことで、男の子はファンタジーから現実に戻ってくるのですが、子供のファンタジーの世界をお父さんは全く否定しないところが、素敵なお父さんだなって思います。
子供達は、前半の動物たちが繰り広げるファンタジーの世界が好きなのかもしれません。読み手の母としては、お父さんがとても印象的でこの作品の最大の魅力なのです。
今しか聴けない子供の笑い声、子供たちが大人になっても、母である私はずっとずっと忘れずにいたいと思います。
何も特別じゃなくていいから、心の底から笑っていて欲しい母の切なる願いです。
MIKI
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