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沢野忠庵のお墓
…どうでしょうな。あまりカターイお話というのは当方にはそぐわない。
が、今、古本の出張買取が来てくれるのをまつこの手持無沙汰な時間を使って、昨日訪うた(おとのうた、と発音していただきたい)沢野忠庵先生のお墓のお話でも描くべいか。
しめっぽい話、ブンガクだのレキシだのがお嫌いな方はこの駄文読まんほうがよろし(*- -)(*_ _)ペコリ
当方マンガばっかり読んでいると思われがちですが実は活字のほうが好きです。というか、マンガはもうほとんど読んでない。今月は遠藤周作ブームが自分の中に個人的に来たので、仕事の合間に読んでおりますれば…
この写真の右上、『お茶を飲みながら』(集英社文庫)の最後のほうにですな、オモシロイことが載っておりましてな、なんと沢野忠庵さんのお墓が、当方の地元から歩いて行ける場所にあるという。
さきほどから沢野、沢野とサワいでおるがなんのことかと思われる方は、遠藤氏の代表作『沈黙』に当たられたい(._.)2度も映画化された有名作品ですが、あんなかにいましたでしょう、主人公のバテレンさんが。ロドリゴ。このモデルになったのがフェレイラという実在の宣教師さんで、転びバテレン(棄教させられたあと)になってからは「沢野忠庵」なる日本名をもたされた。つまりガイジン、異人さんです。ざっと400年くらい前のお話で、ヘイ。
ちなみにこのお墓のことは作者の遠藤さんも知らなかったらしく、『沈黙』について大学でしゃべったらある学生さんが「わたしそのフェレイラの子孫です」と名乗り出たそうです…まあそんなことがこの文庫に書いてあった。
昨今すっかり観光地化されて土日は人の出入りの多い谷中ですが、重い腰をあげてフラフラ見に行きましたです。何も言わんのに、ヨメさん犬のようについてきた。東京昨日は散歩日和でしたな。
(去年ヨメさんが脱水症状を起こした坂(-_-;))
のぼりきったとこ
以前吉村昭さんの記事書いたときにご紹介した公園
谷中銀座から夕焼けだんだんをのぼったとこ
ナイス路地
ナイス路地天井
あからさまに古い町並み
朝倉彫塑館
シンボルがイカす
ライオンマークがカワイイ(笑)
トラマークも負けていない('ω')
…などなど、まあほんの5,6キロも歩けば目的地のお寺につきました。
日蓮宗、瑞輪寺。
と、こう書くとすぐ見つかるようですが実際谷中は猛烈な寺町で、寺町というより寺しかない町で、近くにはコンビニすらない。もし行かれる方は場所を調べていかれるがよろし(._.)
はて。フェレイラのお墓は…
とくに案内板などないので、あてずっぽうに歩いて探してみます。有名人…とはいえ、悲劇の人、転びバテレンさんですから、あまり大っぴらに宣伝するものでもないのかもしれぬ。当方、数々のお墓の側面を覗きながら、フェレイラの日本名「沢野忠庵」を探し始めました。
とはいえ、広い。
天保だの、歴史の授業でならったような元号がたくさん出てきますな。
これはそんなむかしからここに突っ立っておったのかと思うとコレなかなか楽しい('ω')失礼ながら、ちょいと墓標を撫でさせていただいたりして。「はいゴメンなさい」「ちょいと失礼」等、声をかけながら探します。
するとお寺の本堂のほうで何か行事のある日なのか、お経というかお勤めというかの声が響き始めました。ナイスBGM。…こういってはバチあたりかもしれませんがね。なんでしょう。
秋のお墓歩きってなんか非常に気持ちがイイ
んですね…当方、妙にテンションが上がって20分も30分も(何しろとてもデカい墓地なのです)ほっつき歩いて飽かず。どうもヨメさんも同じらしく普段はでこぼこ道に入ると文句を言うのですが、楽しく探している様子(手分けしましたw)。あ、ちなみにヨメさんは『沈黙』は映画(新しいほう)だけは見ていて、あのロドリゴだとの話をしたら「ああ、あいつか」と言ってました。知り合いかオマエは。
タイヘンさわやかな秋の日である('ω')
途中、カエルを発見。
ナニゴトかと思ったら、これはかのカエル絵師、じゃなかった日本画家の
河鍋暁斎さんのお墓
でした。はあ、こんなところにおられたか。これは縁起のイイことである。動物うまくなりますように、と手を合わせてまいりました。(別に絵のカミサマじゃないんだから、拝まれても困るでしょうがw…)
ところでそもそもですが、遠藤周作センセイはいま若い人にも読まれているのでしょうかね('ω')?私事の思い出を申せば、最初は狐狸庵先生シリーズなどの軽いエッセイを中学生のとき読みまして、これは母の本棚にあった。母の時代には大人気作家であられた遠藤センセイですから母に審美眼があったというよりは単なるミーハーであろう(*‘∀‘)…実際、読んだ形跡がありませんでしたが(笑)というわけで上京時に遠藤作品はみんなもらってきて、
マンガ買うお金のないときよく読んだ
ものです。小説って、1冊で1日持ちますのでねw費用対効果がいい。いまでも持ってます。
(どうです、ボロイでしょう('ω'))
アシ修行時代などにお金のないあまり再読、三読いたしまして。当方最も読んでいる日本人作家さんかもしれない。まあムツカシいテーマはハッキリ言ってよくわからんちんなのですが…
と、ヨメさんが「ロドリゴ発見」とのたもうた。
これはわかりにくいので特に写真を載せておきますが(なんたる親切)、
いちばん大きな通りの、この植え込みでうっそうとしたところ、
分け入ると杉本さん、のお墓があり(これはご子孫のお名前)、
その右手に背の高い墓標がある。この墓石の向かって左側面に…
ロドリゴの、いやさ宣教師フェレイラの日本人名・沢野忠庵の…一応法名をもらったんでしょうか、忠庵浄光先生、との名前を発見しました。フェレイラは棄教した(させられた)のち、日本人に医学など教えておられたらしい。センセイ、てのはそのことでしょうか?
慶安三年、十一月十一日。覚えやすい日ですね。
このお墓も何年か前に映画『沈黙・サイレンス』が公開された当時には見に来る方もけっこうあったらしい。当方まったく無知でありましたな。せっかく来たのでお線香をあげてきた('ω')
(この線香入れのカンカンがイカす)
…どうでもいいんですが、何と言って拝んだらいいのか。
ナムアミダブツもレンゲキョーもアーメンも何言っても失礼に当たりそうですね(-_-;)
合掌でもアレだし、膝ついて祈るのがいいんでしょうか。まあそうなるとこんどはこっちがそういうモノでもないし、とにかく、R・I・P、レスト イン ピースでございます。
…これで3時間ほどの散歩ができ、大変満足して帰ろうとしたところが。
あ( ゚Д゚)
当方、方向音痴であまり気づかなかったのですが、広い霊園の中を大きく移動していつのまにかここは
師匠(木)の裏側じゃないか!
ということに今更気が付きました(-_-;)
漫画にも描いている、ここの裏だ。
このお墓だったのか…つまり当方、ずっとフェレイラのお墓に向かって絵、描いてたんですね(笑)。
(お墓から見た、昔すんでたアパート。リフォームなさったらしい)
(師父近影)
思いがけず師匠のお墓詣りもできました。
・
沢野忠庵いやさフェレイラさんは400年近く前にわざわざ波濤万里のニッポンに来て、数奇なウンメイの末にトウキョウ・ヤナカに葬られて。当方は
そのすぐ近くでなんも気づかず『沈黙』読んでた(笑)
というのも、スケールのでっかいお話ではありますね('ω')時間的にも、空間的にも。
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ではこの辺で筆をおきまする。お粗末様でした(*- -)(*_ _)ペコリ
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![梅熊大介](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26653917/profile_d53589dfe00a79ff1753acf19808ac0a.jpg?width=600&crop=1:1,smart)