刑務所部屋=うめこの生活感

生きるっておしゃれじゃないと
人は、SNSの人は、認めないよね
そういう価値観もステキだろうね、きっと

学生時代、いや、もう家庭環境が
スッキリ片付いて、物の露出が苦手な祖母や母
自然と生活感がない、薄い部屋に住んでいた

友人などを招いても「生活感がない」
「物がない」「貧乏なの?」
褒めてくれるどころじゃなかった

トイレやお風呂も「使っていいの?」なにそれ
逆にこちらの気が引けた

私が居ないところで、うちは
「刑務所部屋」と呼ばれ
ある意味、ミステリアスな女扱いだったけど…
華道をやってたから、お花だって飾って
観葉植物も育てていたのに…

猫のなっちゃんと暮らして、引っ越しして
現在は恐らく一般的な片付いた部屋に落ち着いたのかもしれないけど

今、思えば
今ね
生活感のない部屋、生活感がないと呼ばれた私は
冷たいヤツだったよ
対外的に卒なくやってりゃいいって舐めてた

組織の同期が過労うつで自殺したって
「ああ、負けちゃった」なんて思った
毎日「おはよ!」ってハイタッチしてたのに

同期が帰宅してないのは知ってた
深夜に見に行ったもん「まだ、やってる」って
他の同期と息を潜めて、建物を見上げてた
「あいつ、ヤバい」って

同期が妻子残して、頸動脈を斬った
まだ、記憶に残らないような幼な子が
自分の父親が首を斬って死んでた、第一発見者

お子さんがいたから
生活感が、温もりのある家庭だったんだろうな

私は「ああ、負けちゃった」なんて思っていて
自分さえ良ければよかった
自分さえ安泰なら

ああ、ここでする話じゃないね
透き通った人は「綺麗な苦労話」じゃないと
胸を打たないよね、ごめんね

ところで、人の痛みって知ってる?
あなたは刑務所部屋に住んでるんだっけ