私は、何者でもない。それでも帰りを待ってくれる人はいる。

直近、いくつか世にでたシナリオがある。
どれも感想は好評だった。
元々、私はお仕事のクライアント様以外に経歴を開示することは少ない。
唯一、コンスタントにSNSにてクレジットを出していたのは、「オトギフロンティア」様のお仕事だ。
この作品は、私にとってのデビュー作にあたり、現在も、来年も携わらせていただく予定だ。
私にとって大切な作品なのだ。
ご依頼がある限りはずっと携わらせていただきたいと思っており、携われていることが本当に嬉しい。
本当なら、ユーザー様にお知らせをしたいことがいっぱいあった。
だが、諸事情で私は梅芳の名義で「オトギフロンティア」様に関してはもうクレジットを出さない(というより出せない)と決まっている。

それでも、どんな形でもオトギフロンティア様に関われる方が私にとって大切なことだ。
多くのゲームに携わってきたが、こんなにもユーザー様や関係者様が温かい作品にはなかなか巡りあえないだろう。
本当に幸運なことだ。
それらの感情から私はオトギフロンティア様のクレジットだけは欠かさずに出していた。

さて、直近は正しい生活サイクルを心掛けて、生きていたらだいぶ体調が良くなった。
最寄りに出て、いつものお姉さんと会って。
私にしては珍しく、商業BL本を買った。

きっかけはこちらのnoteの記事です。

とにかく記事を書かれた作家様のご感想が上手いに尽きる。
それに「うつくしいもの」と言われると気になってしまい、該当のスピンオフを買う気にいたのだが、本編とスピンオフ全部買いました。
とりあえず、本編二巻読破。

す、すごいものを読んでしまった……。

上記のノートのご感想はは本編主人公のホスト時代の仲間の話かと思うのですが、本編の主人公もすごくかわいい。エロい。ふたりの関係性がとてもエモい。
性癖作品に殴られるとはこのことである。

ちなみに私は、綺麗系のメスおにいさんが好きなので、無邪気わんこ受けは射程範囲外なのだが、徹(受けちゃん)か、かわいい~……。
そして、絵が綺麗すぎる。
私は男性向けエロ漫画ユーザーなのと……本当に申し訳ないのだが、表紙買いをするともれなく逆カプであるという悲しき体験をしすぎて、商業BLに手をだせなかったのだが、こちらの作品は本当に良かった。
新しい性癖に目覚めました。ご紹介ありがとうございます。
無事に購入致しました。
しかし、ちいかわ×でかつよ的なCPってどうこうして興奮するんだろうな……。

私はネタバレを避ける女なので、スピンオフまで読破したら該当の記事のネタバレ部分拝読させていただきます……楽しみだ。
noteを書かれた作家様、素敵な作品紹介ありがとうございました……。

すごいIQ3の文章になってしまいましたが、この作品、BLという特定のマイノリティがテーマなんですが、作品の熱量が本当にすごい。
作品に殴られた。

そして、創作を救うのは創作なんだなぁと実感させられた作品だった。

私は帰ってきてからうだうだしていて、頭からっぽにポケポケをやりつつ、久しぶりの外出に疲れて夕方まで惰眠を貪り、休憩しながら、歌舞伎町バットトリップを読んでいたのですが……。

この作品熱量がすごすぎて創作意欲をめっっちゃ刺激されるんですよ!!!

書きたい。

でも、今の私のコンディションじゃ最高のクオリティのものは書けないんじゃあないか?

でも、私も書きたい!

そんな自問自答を何時間もしていました。
ふと、頭を過ったのは、お姉さんの言葉でした。
「梅芳ちゃんの職場の人は温かい。それにユーザーさんだって読んでくれてる。みんな、あなたの帰りを待っている」

「だから、早く元気にならなきゃね」
と言って、お姉さんは私を見送ってくれました。

それに、今日、大好きな彼から連絡がきました。
12月の下旬に時間をつくって会ってくれるとのことでした。
この世界で誰よりも私のことを理解して、人として尊重してくれて、作品づくりを応援してくれる子。
制作会社の先生たちにもたくさん、心配をかけてしまった。

過呼吸をとめる薬をのんで、マグカップにモンスターをたっぷりと注いで、資料のめぼしいところを確認。
先に作った資料や戻しのプロットを読み返す。

――書こう。

私のこの頭、知識、技術、体は、もう私だけの物じゃない。
私はどこにでもいる普遍的なシナリオライターだけど、私が健やかに、幸せにシナリオを書くことを望んでくださる方はたくさんいる。

きっと、書いたら自信になる。

机に座ったのは19時でした。
約2KB程度……キャラクターシナリオ1話分。
何度も序破急の構成を考えては、書き、消して……。
考えては、書き、消して……。
すごい汚いノートだった。

wordでノートに書いた序破急に沿って物語を清書していく。
ところどころ、セリフを分割したり、この前いただいた講評を応用していたら、少し上振れしてしまった。

う~ん、ボロボロ。でも書けた。嬉しかった。
キーボードで文字を打っても頭がぼーっとする感じも、辛い感情もない。

普段だったら構成も含めて30分程度で終わるシナリオも、40~50分かかるというボロボロ具合。
でも、これなら推敲で取り戻せる。取り戻そう。

まずは、この物語を完成させる。
トータルで12KB程度の短い物語だが、今回はすごく時間がかかるかもしれない。
でも、私は私を待ってくれる人のために、筆をとりたい。
こんなことで諦めない。

まあ、簡単に言うとスランプだったのが、創作に影響をうけて、また書けそうって話なんですけど。
創作に救われることってあるよ。

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