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私たちの傍にある視えない世界 ①
1000年前の日本、平安時代は今よりももっと闇が深かった時代です。
太陽が傾き、夕闇が訪れると、そこからは夜の時間の始まりです。
その闇の中に、かつての人々は妖怪や人間ならざるものの姿を見たのでしょう。
当時の権力者である藤原道長と同時代人である陰陽師の安倍晴明が求められ、活躍したのは自然なことでもあったと思います。
自分の力ではコントロールできないものをなんとかしたい、この不安な気持ち、そして、実際に体に起こった変化を治したいというのは、人間の本性です。
一方で、現代は夜でも明るい。特に東京をはじめとした都市の光は消えることはありません。それは闇が失われた時代が現代ともいえます。それに伴い、これまで闇の中を棲家としてた存在たちも、その居場所を追われていったのかもしれません。
しかし、不思議な世界がなくなったわけではありません。
私たちの身近には、変わることなく視えない世界が表裏一体のように生活の中にくっついているように感じます。自分自身が認識していない、けれど自分の中に存在し続けている不思議な世界を受容する受け皿に気づけば、目の前の世界が違って見えるでしょう。
これまでセッションをさせていただいた方々や、相談として話を聞く中で、私が当初思った以上に、「家族と宗教」というテーマを垣間見ることがありました。それは実家が神社だったり、お寺だったり、また、神仏の話を聞いて育った方、霊能者が身近にいたり、などなど。
ご本人の体験だけでなく、知人・友人まで範囲を広げていくと、私たちの近くには神様仏様また、人ではない存在が見え隠れしています。
普段は意識していないけれど、私たちの中に目に見えない世界が入り込んでいるものをいくつか挙げてみたいと思います。
(②に続きます。)