
【2月読書記録】カフネほか
2月に読んだ本の記録。
カフネ(阿部 暁子)
2025年の本屋大賞ノミネート作なので、久しぶりに書店で購入。
法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく
続きが気になって、一気読みしてしまった。登場人物全員が大なり小なりの「傷」を負っている(もちろん読者である私もだ)。人って、わかりあえない生き物っていうのがまず前提に合って、だからこそ歩み寄りとか思いやりが大切なんだと思う。
あなたのための短歌集(木下 龍也)
図書館で借りた本。
歌人・木下龍也の「あなたのための短歌=短歌の個人販売」をまとめた本。依頼者のためだけに1首短歌を作り、依頼者はその短歌をどのように使用しても良い、また、歌人は「あなたのための」短歌のため、自身の記録として残さない、公表もしない、というもの。記録に残していないため、この本を出すにあたって、あらためて依頼者から短歌を提供してもらったという。
「あなたのための短歌1首」はあなた以外のあなたのためにもなるのかもしれない。そう思って、僕の心は揺れたが、懸念はまだほかにもあった。
(中略)
数か月悩んだ末に、印税を受け取らないという条件で歌集の刊行を決めた。短歌への対価はすでに依頼者から受け取っているので、それ以上の金額を同じ短歌で受け取るのは不誠実に思えたからだ。「だからといって、印税分が出版社の儲けになるのも困ります」と村井さんに言われ、話し合いの結果、本書の印税に相当する金額を、全国の本屋さんで様々な歌集を購入する費用に充てることにした。その歌集は短歌の普及のため、希望する施設に寄贈する。
歌集はあまり読まない私だが、まさしく「あなた以外のあなたのためになる1首」が何個もあり、読みながら涙してしまった。歌人は、心に鍼をさしてくるなぁといつも思う。
『「悩む」とは想像力に火をつけて無数の道を照らすことです』
『恋人はノアの手つきでうつくしいたこ焼きだけを舟皿に盛る』
『お手本を見終えたきみは卓上でもっとも上手くケーキを食べる』
『うつくしい思い出になる10年を不安に歩く私でしたね』
『君という火種で燃えるべきつらくさみしい薪があるんだ、おいで。』
ワールドトリガー 28巻(葦原 大介)
最後は漫画。
唯一買っている漫画本、ワールドトリガー。閉鎖環境試験編、動きが少なく頭脳戦が多いので、理解に時間がかかるけど、それでもめちゃくちゃ面白い…。変わらず水上隊長がイチオシです。
若村麓郎成長物語。身につまされる…。漫画というか、もはやビジネス書か何かを読んでいるような気持ちになる。がんばれ麓郎。がんばれ私。
この話に他人は関係ない
『自転車に乗れる』という事実が示すのは、おまえは元々できなかったことが訓練次第でできるようになる ということだ
私も今挑戦している最中なので、この金言を胸に刻みたい。
(追伸)
みゃこ様の記事を読んで「そろそろ読書記録を書かねば…!」という気持ちになりました。ありがとうございました。引用失礼いたします(不都合あればお知らせくださいませ)。