地域の便利屋さん
「昨日の晩から、テレビが映らんようなってなあ、ちょっと見てもらえへんか?」
一人暮らしのおばあちゃんから一番多い頼まれごとです。
たいていは、リモコンの切り替えボタンを押しちゃって、モードが変わって映らなくなっているだけだったり、コンセントが抜けていたり、リモコンの電池が切れていたり、行ってみたらちゃんと映ったりすることもあります。
電気屋さんを呼ぶほどでもないし、近所の人に聞くのも気が引ける。そんなときに、小さな百貨店は役に立つのです。
”たかがテレビ”
と思うかもしれません。
でも、一人暮らしのおばあちゃんにとって、テレビは一日を過ごす大切な相手なのです。毎日いろんなおばあちゃんと顔を合わせていると、どんなおばあちゃんでも元気な日もあれば、元気じゃない日もある。
たとえ一日でも、家で一人、テレビなしで夜を過ごしてるおばあちゃんを思うと、きっと次の日は元気ないんだろうなあと想像してしまうのです。
一晩ぐらいテレビが観れなくったって、死んだりしないよ。
と思うかもしれないのですが、、、
ずっと二人暮らしで、いつも百貨店に一緒に買い物に来てくれていた、仲良しのおじいさんを2年前に亡くし、それ以来、大きな家に一人で、近所にお友達はいるけれど、一日中、誰ともお話しない日もあったりで、以前は、いつもニコニコ笑顔だったおばあちゃんが、話しかけても笑顔で返してくれない日もあったりで、、、
そんなおばあちゃんのテレビが映らなくって困っていたら、「別に一晩ぐらい・・・」じゃなく、「一晩も、テレビもなく、大きな家でひとりでいたら・・・」って。
だから、なるべく
「すぐ行きますね。」
って、おばあちゃんの家に馳せ参じます。
明日も元気なおばあちゃんの顔を見たいからなのです。
と、ここで伝えたかったのは、、、
困ってるお年寄りを助けたい!
というような、かっこいいことじゃないんですけどね。
うまく伝わるだろうか。
おばあちゃんには、ずっと笑顔で、まだまだ頑張ってもらいます。
京都北部の山あいの小さな集落にただ1軒の小さな百貨店から田舎の日常を書いています。子供達に豊かな未来を残すためにサポートよろしくお願いします!