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小説「葉桜の季節に君を想うということ」感想

著者は歌野晶午さん。
歌野さんとは初めましての本でした( •̀ .̫ •́ )

おもろいと評判は聞いていたけど中身の前情報はあまり無い状態で読んだから、
読み終えた時には

「やられたぁ〜〜!!」

って思いながら無意識に最初のページから読み直していました。

いわゆる叙述トリックもの。
というか、今「叙述トリック」でGoogle検索したらこのタイトル出たし。
とっても有名な作品だったみたい!

ざっくりとした物語の導入は

「何でもやってやろう屋」を自称する主人公。
元私立探偵なのをいいことに、
知り合いから
「悪質な霊感商法の調査」
を依頼された。
そんな折、
自殺をはかろうとした女性を偶然助け、
その出会いが運命を変えることに…

というもの。

ここからがっつりネタバレ👇




登場人物Aと登場人物B、実は同一人物だったんかい!
は、まあよくある話。
(ふつうに騙されてたけど)

でもさらに登場人物の年齢まで思い込まされたのはびっくりした。
実は主要人物ほとんどおじいちゃんおばあちゃんだったんだけど、ホントに最後の最後まで20代くらいの男女の話だと思い込んでたのよ!

最初のページから騙しにかかってるでしょこれ…。

すご…。

読み返したらホントにおじいちゃんおばあちゃんの描写でしかないよ……。

過去の描写として、私立探偵をやっていた頃(19歳前後)の話も途中途中で挟まってくるんだけど、

「ちょくちょく挟んでくるこのシーン必要か?」

なんて思ってたらこれも年齢を誤魔化すギミックだったなんて。

最終的には事件は解決出来なくてハッピーエンドではなかったけれど、これはこれで綺麗だったし、何より主人公がポジティブな状態で終われたから気持ちよかった!

70歳の主人公が夏や秋の桜の木を思い浮かべながら

「桜の花は本当に散ったのか?俺の中では満開だぞ」

と言い切ったところもかっこよかった。
こういうおじいちゃんになるのもいいかもね(^○^)

素敵な読書体験でした♪

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