三井物産を退職して起業しました
はじめましての方ははじめまして。川﨑佑馬と申します。現在27歳です。2024年9月末を以て新卒から3年半務めた三井物産を退職し、社会人4年目までに新築から築60年まで家を4軒合計3億円購入し、2軒売却し、1軒リノベした経験を元に不動産業界に特化したマーケティング支援事業で起業しました。
10月1日に各SNSで退職&起業報告をしてから1ヶ月が経ちましたので、改めて三井物産に入社した経緯と業務内容、独立に至った理由、今後の事業内容などを書いてみました。
三井物産に入社した理由
簡単に経歴をお話しすると、僕は埼玉県草加市で生まれ育ちました。地元の公立小中を卒業し、埼玉県立浦和高校へ進学。一浪を経て慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科に入りました。親族含め僕が初の四年制大学入学者でした。
建築家を志し大学に入りましたが、自分の理想とする建築を建てるには建築家になるよりも商売を頑張って資本家になった方が早いかもしれないと思い立ち、大学院へは進学せず、就職しました。
高校・大学と漫才をやっており、高校3年生のとき吉本興業主催のハイスクール漫才で準決勝に進出しました。慶應ではお笑い道場O-keisというお笑いサークルに所属してました。令和ロマンの高比良さんは2つ上、松井さんは3つ上の先輩です。
他には商売への関心が強く、iPhoneの転売や自作の服の販売、イベント運営、メディア運営など取り組み、個人事業主として商売をしていました。特にメディア運営で結果が出たため、大学4年生で1年間休学し事業に専念しました。
この際に伊藤忠から内定をいただいておりましたが、辞退して休学を選択しました。メディア運営にやや天井を感じ、せっかくなら大きな会社に入り、個人でできない規模の商売に関わりたいと思い、休学後再度就職活動をしてご縁をいただいた三井物産に入社しました。2回の就活ではどちらも外資系投資銀行→外資系コンサル→総合商社の順で受け、内定をいただいた伊藤忠と三井物産以外は全てご縁がありませんでした。伊藤忠・三井物産含め1回もインターンには参加したことはなく、全てぶっつけ本番で受けていました。
三井物産での業務
営業志望でしたが配属はコーポレートのリスクマネジメント部となりました。1年目はトウモロコシのデリバティブのリスク管理の部署に配属され、毎日Excelと睨めっこしながら数字と闘っていました。その後、2年目以降はエネルギー分野の与信管理と投融資案件の審査業務を担当しました。個人的にはこの業務がとても楽しかったです。
与信管理とは簡単に言うと「取引先から品代(売掛金)が回収不能となるリスクを最小限に抑えること」です。すみません、簡単じゃないですね。ざっくり「取引先がちゃんとお金払えるか判断する仕事」だと思ってください。
僕は主にLNGや石油を担当してました。例えば中国のトレーダーにLNGをUSD100Mil売るとなった際に、このUSD100Milをその会社が払えるのかをBS(貸借対照表)・PL(損益計算書)・CF(キャッシュフロー計算書)の財務三表を分析して判断するのが仕事でした。だいたい月に20〜30社ほど決算書を分析したおかげで財務三表が読めるようになりました。
投融資案件の審査では、例えばアメリカの天然ガスの権益にUSD500Milを投資するとなった際に、そこに投資してどれくらいで回収できるのか、最悪の場合どれくらい損失が出るのか、プランBとして何をするのかを策定する業務に携わりました。
コーポレートのため3年半の勤務の中で社外の方と関わることはほぼなく、大手町の本社か自宅で働いていました。海外出張もゼロ、唯一の出張は日帰りの福岡出張でした。一方で僕らが海外に行くときは案件が大炎上しているときなので、トラブルなく業務を遂行できたことの証左でもあります。他のコーポレート同期は海外出張にたくさん行っていたので営業・コーポレート関係なく海外出張の機会はあります。そこは誤解のなきよう。
家を購入した理由
三井物産で3年半働く間に家を4軒合計3億円買いました。
1年目で蒲田に築40年の2,780万円の中古マンションを買いました。
2年目に広尾に築60年の家を買い自分でリノベをしました。物件価格+リノベ費用で3,000万円くらいでした。
3年目に虎ノ門に1億円の家を買いました。
4年目に港区に約1億4,000万円の新築マンションを買いました。
住宅ローンは同時には基本的に組めないため、新しい家を買うたびに既に持っている家を売りました。蒲田は+320万円で、広尾は+700万円で売れました。
家を買った理由は学生時代から同世代より10個くらい上の先輩といることが多く、その先輩方に「会社員のうちに住宅ローンを組んで家を買った方が良い」と耳にタコができるくらい言われていたからです。そして以前からSNS発信は得意だったので、新卒1年目で家を買う様子をInstagramで発信したらウケそうだなと思い発信をしました。
もともと建築家志望で美しい建築が好きなのもあり不動産にもハマり、気になる物件が出たらすぐに買うことを繰り返した結果、毎年家を買っていました。そこで毎年家買う商社マンという肩書きでInstagramで発信を続け、退職時にはフォロワー3万人を超えるアカウントにまで成長しました。
独立を決意した理由
独立はまだしない予定でした。理由は埼玉県草加市育ちで海外経験ゼロの純ジャパのため、海外駐在か研修員を経験したいと思っていたからです。特に若手は研修員(またの名をトレーニー)制度を使い1年から2年海外へ行き、前半は現地の学校などで語学を学び、後半は現地店で業務に携わることが多いです。基本的に商社の若手はまずこの制度で1回海外を経験し、その後本店に戻り数年勤務した後、本駐在に行くことが多いです。
僕は英語もろくに話せないので英語圏志望でこの制度に申し込んでいましたが、コロナもあり年次が上の先輩方がまだ行けておらず、希望のエリア(アメリカorヨーロッパ)に行けるのはもう少し先になりそうでした。
海外に行けるとしたら28歳?29歳?帰ってきたら30歳超えてしまうな……うーん、ちょっと遅いかもしれない……今だ。
そう思い、海外を経験する前に独立しました。
だいぶ省きましたが、当然事業が何もない状態で独立したわけではありません。SNSで発信を続けていく中で、この3年半で累計1,000人を超える方の不動産相談に乗り、家を真剣に買いたい方だけが集まるコミュニティを立ち上げ3,000人を超える方に参加いただきました。(家買うぞーグループと言います。僕が良いなと思った物件や家購入に必要な知識を配信しています。参加無料です。興味ある方はInstagramのDMまでご連絡ください。)
その中で、僕たち若手社会人が家購入にどんな疑問点を感じ、どんな論点が解消されたら家を買うという意思決定ができるのかの解像度が上がっていきました。そして不動産会社にどのような役割を期待しているのかも課題と共に見えてきました。その知見を元に不動産会社さんに対してマーケティング支援をはじめました。支援というと大雑把ですが、やることは多岐に渡ります。Webサイト・SNS運用はもちろんのこと、お客様とのコミュニケーションへのアドバイスや案内までの導線設計、オンライン・オフラインイベントの企画設計など、僕たち実需購入者が不動産会社さんと出会うところから家を買ったその先まで、お互いWinWinになれる関係性を築くまでの包括的なマーケティング支援に取り組みました。
そして結果が出始めました。支援先の中には昨年度対比で売上が1,000%伸びた会社もあります。(700万円→7,000万円)もちろんその会社さんの企業努力もあっての成長です。最大瞬間風速だと思う方もいるかもしれません。一方で僕の支援事業では中長期的に信頼される不動産会社作りを目的としています。この会社さん含め他の会社も継続してしっかりと売り上げが伸びており、かつお客様とも良好な関係を構築できていると、自信を持って言えます。
事業の結果が出始めた背景もあり、3年半勤めた三井物産を退職し、起業しました。
今後の事業内容
主に二軸で取り組んでいきます。
①不動産会社に特化したマーケティング支援
不動産会社の裏方に入り、Webサイト・SNS運用はじめ、お客様とのコミュニケーションや案内までの導線設計、イベントの企画設計など包括的に支援いたします。僕自身が家を4軒買い、2軒売り、1軒リノベした経験があったり、累計1,000件を超える不動産相談に乗っていたり、家を買いたい方しか参加できない3,000人を超えるコミュニティを運営したりと、購入者側の立場でどのような説明と導線があると購入の意思決定ができるのか深くまで理解しています。
また、特に都心で働く総合商社や投資銀行、コンサルの友人も多いことから、多忙な彼らは短期集中で効率的に家を買いたいと考えていることも理解しております。そのような購入者に対する解像度の高さを軸に、お客様にリーチし、面談や案内を経て引き渡しが完了するまで、さらにその先の関係構築までを支援致します。
弊社マーケティング支援事業に興味がある方はお気軽にInstagramやXのDM、公式LINEまでお問い合わせください。まずはオンラインやオフラインで弊社事業内容についてご説明差し上げます。
ちなみに事例として自分の話を上げるのは違うかもしれませんが、7月頭に退職を決めてから、10月1日の退職報告に向け3ヶ月間、綿密に準備をしてきました。YouTubeを立ち上げ、Xでの発信もはじめ、10月1日一気に認知が広まるよう、その受け皿を3ヶ月かけて構築しました。この投稿の通りで、予想以上の反響が得られました。
もちろん単発で終わっても意味がないので、10月2日以降にどのような発信をするかもしっかりと計画しており、独立初月から順調に数字が伸びております。かつ視聴者からの信用も着実に高まっているのを感じております。
このように、一発屋でドカーンと終わるのではなく、その先の深くて密な関係構築まで見据えたマーケ施策が得意です。特に一生で一番大きな買い物である不動産においては過度にコミュニケーションを自動化することは逆効果になる場合が多く、何でも自動化したがる最近の潮流の逆を行く施策で、中長期的に成果を上げるのが得意です。
ちなみに僕の分析では退職報告がXで特に反響が大きかった理由は「伝説のポケモンだと思ってた商社マンが急に実名顔出しでXに現れ、やたらリスク許容度が高い上にアクティブでビックリした」からだと認識しています。とはいえ、以前からInstagramでは積極的に発信していましたので、InstagramとXのユーザー層は全く異なることを再確認しました。これもまた事業に活かせるインサイトです。
②家購入に役立つ情報発信
Instagramでの発信を継続するのはもちろんのこと、YouTubeにて「家買うぞチャンネル」を立ち上げ、家を買うために役立つ情報発信をしています。
ちなみにYouTubeではコラボいただける個人の方、そして不動産会社さんを探しています。ただし、条件が一つあります。家を買ったことがある方しかコラボできません。それはそうですね、家を買おう!という発信をしているので、家購入経験者から生の話が聞きたいです。「私の持ち家話を聞いてくれー!」「こんなに素敵な家作ってます!」でも何でもウェルカムです。出演に興味のある方はお気軽にInstagramのDMまたは公式LINEまでお問い合わせください。
各SNSでの発信内容
10月の1ヶ月間は様子を見ながら各SNSで発信をし、方向性を以下のように定めましたので皆さんの見たい情報に応じてフォローいただけると嬉しいです。
Instagram
最も更新頻度が高く、家を買うのに役立つ情報や実際に内覧した物件の動画、皆さんの家購入相談事例、購入報告など掲載しています。そして僕個人のプライベートも載せているので、レストランやホテル、旅行情報も豊富です。家を買いたい方はまずInstagramをフォローいただき、リールやハイライトのまとめをチェックされると家を買うメリットがご理解いただけると思います。
YouTube
独立後、最も力を入れています。月に10〜15本程度、家を買うことに特化した動画を公開しています。よくある不動産まとめサイトの情報ではなく、社会人4年目までに新築から築60年まで家を4軒合計3億円購入し、2軒売却し、1軒リノベした圧倒的な経験値を元に、ググっても出てこない僕のリアルな知識を配信しております。
Instagramには家を買うためのマインドセットを醸成するためのコンテンツが散りばめられていますが、YouTubeでは家を買うための流れが各工程ごとにきちんと体系立ててまとめておりますのでぜひご覧ください。
Voicy
毎日20分程度の音声配信を毎朝6時に公開しています。家購入に役立つトーク→僕のマインドセット→僕のマーケ思考→僕の日常、といった構成で話しています。一番言いたいこと言ってるのがVoicyです。
特にマインドセットやマーケ思考の部分はテキストや動画では残せないような攻めた思考をアウトプットしているので、僕の情報のより深部を覗きたい方はぜひ聴いてみてください。音声配信は確実に今後必須ジャンルになるので、本気で取り組み毎日更新しています。
X
Xは経営者の方とお知り合いになれたり、就活生にアプローチする目的で発信しています。なので家購入に役立つ発信は特段する予定がありません。僕が会社経営をしていく中で気付いたことやマーケ施策をテキストでアウトプットし、経営者の方から気付きを得たり関係性を構築するために使っています。
また、総合商社出身で比較的若く、実名顔出しで発信してる方が少ないからか就活生にも多くフォローされております。総合商社ネタを呟けるほど長く在籍していないので特に投稿予定はありませんが、時折就活生の皆さんに役立つ情報も織り交ぜるかもしれません。
Note
皆さんが今読んでいるNoteでは不定期で僕の思考や近況を書いていきます。イメージとしてはXに収まりきらない、Voicyで話すことでもない、テキストに残して自戒としていつでも見返せるようにしたい思考や体験を書き連ねていく予定です。お楽しみに。
最後に
僕の伝えたい理念
僕は家購入と三井物産でのリスクマネジメントの仕事を通して「リスクを取ってリターンを得る」というマインドセットを身に付けました。
若手社会人のうちに家購入という数千万から億の買い物を経験することで大きな意思決定に慣れ、より前向きにチャレンジできる人が増えると信じています。まさに僕がそうでした。
そして持ち家という資産があるからこそ、衣食住の住が確保できている安心感から転職や独立に積極的に挑戦できます。まさに僕がそうでした。
家購入は人生を豊かにするための手段であり、目的ではありません。最短最速で資産になる家が買えるような体系的な情報発信に努めて参りますので、ぜひ家を買って資産形成をし、やりたいことに思いっ切り取り組んで自分の人生を豊かにしましょう。
三井物産への感謝
前職には大変お世話になりました。こんなに働きやすく、自由闊達で個性を尊重し、やりがいのある仕事に取り組める会社は他にないんじゃないかと心の底から思っています。上司・先輩・同期・後輩、尊敬できる方しかおらず、未熟だった僕は心身ともに鍛えられました。商売人としての基礎基本を学ぶことができ、とても感謝しております。
商社はたくさんありますが、3年半働いたこの川﨑佑馬が自信を持って三井物産は他のどの商社にも負けない素晴らしい会社だと断言します。就活で受けたり、転職を考えられている方は、安心してトライしていただきたいです。感謝してもしきれません。本当にお世話になりました。
僕の経営者人生は始まったばかりですが、これまでの27年間の人生で関わってくれた全ての方に恩返しができるよう、そしてこれから関わっていくお取引先様、フォロワーさんはじめ全ての方に価値提供ができるよう、真摯に誠実に会社経営に取り組んで参ります。
皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2024年11月1日 川﨑佑馬
<参考>退職報告後に不動産以外のテーマで出演したYouTube、僕の為人や考え方が分かるかと思いますのでご参照ください。
4代目バチェラー黄皓さんとコラボ!三菱商事時代の家購入について聞いてみた/ゆーまの家買うぞチャンネル
【就活無双】5大商社に2社内定した先輩の対策方法を聞いてみた/しゅんダイアリー就活チャンネル