教育観を語ったら、それはゆくゆくは子どもたちの幸せにつながるのではないかと思った話

6/24(木)に第9回先生トークライブ「先生方の教育観・指導観」を行いました。
今回は小学校の先生3名、企業勤めのパパ3名にご参加いただきました。

「教育や指導におけるフレームワーク」にとらわれず、先生、パパがそれぞれが持つ教育観・指導観をじっくりと深掘り意見交換ができました。


■『人としてトッププレイヤーであれ』

今回ご参加いただいた小学生・中学生のサッカーコーチをしている方の教育観・指導観です。
こちらのクラブチームは、「プロサッカー選手を多数輩出する本格的サッカークラブ」です。
そのためサッカースキル向上にこだわった育成方針でクラブ運営を行っていると思われがちですが、
『人間として成長しなければ、サッカーも上達することはない』という考えのもと子どもたちの指導に当たられているそうです。


■『教師の理念や価値観を子どもたちに押し付けない』

「学級王国」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
教師はクラス担任になるとそこに「王国」を作りがちです。
自分のクラスが絶対的に正しく、自分のクラスが一番良いクラスだと、
教師も子どもたちも妄信してしまうことがあります。

それはつまり、教師が持つ思想や価値観を子どもたちに植え付けてしまうことになります。
そのため、この事象に危機感を覚える先生は、以下の2つを意識しているとおっしゃっていました。

①教師である前に自分自身も一人の人間であり、自分の思想や価値観はあくまで自分だけのものでしかないことを自覚すること。
②自分が行っている教育・指導に対して常に懐疑的であること。

この2つの観点をたえず持ち続けることで、「子どもたちの多様性」を尊重した教育が出来るとおっしゃっていました。


■『「みんなで頑張ろう!」が苦手な子もいる』

前述しましたように、今回のトークライブにはサッカークラブチームを運営するコーチもおられたため、
「サッカークラブ運営と学級経営の違い」について話し合いました。

サッカークラブと学級、両者の教育観・指導観を比較するうえで、見落としてはいけない前提条件がありました。

サッカークラブは民間団体であり、「方向性」「指針」が定まって運営されている点です。
「プロサッカー選手になる」「全国大会に出場する」「世代別日本代表に入る」など、子どもによって多少の目標の違いはあれど、サッカーを媒介に目標を掲げる子どもたちで形成されている集団です。

一方、「学級」は偶然一緒のクラスになった集団であり、何かの目的・目標が一致していることはあり得ません。
運動が好きな子、勉強が好きな子、読書が好きな子、音楽が好きな子、ゲームが好きな子、集団生活が得意な子、ひとりでいるのが好きな子…、様々な趣向を持った子どもが集まっています。

ただし、学級活動として1年間か2年間を共に過ごす仲間ですので「一致団結し集団生活を行う」ことが必要なタイミングがあります。
そのとき気を付けなければいけないことは、先生がもつ「集団行動はこうあるべきだ」という固定概念めいた思想や価値観を押し付けることなく、子ども一人一人の思想や価値観と向き合う姿勢を持ち続けるということ。
そうすると、たとえば声が小さい子を大切にすることができますし、誰もが安心して過ごせる学級経営が可能になるかもしれません。

最後に・・・
「教育観・指導観」に正解はありません。
一方で、正解がないがゆえに探求を怠ってはいけませんし、様々な考えや価値観に触れることも大切だと思っています。

『先生トークライブ』を通して、先生同士の、また民間企業の接点を作り、様々意見交換を行う中で気付きを得ることが、ひいては子どもたちの幸せにつながっていくと考えております。

次回のトークライブにもご参加ください。
まだご参加いただいたことがない方もぜひお気軽にご参加ください。

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