
会社での負の伝言ゲーム
どこの会社でも、一度はこんなことが起こった経験があるのではないでしょうか? ある話が誰かの解釈を通じて少しずつ変化し、気づけばまったく違う内容になって広まる。いわゆる「負の伝言ゲーム」です。
たとえば、経営層が「コスト削減について話していたらしい」という話が、誰かの解釈を通じて「リストラの話が出ているらしい」に変わる。さらに、「すでに候補者が決まっているらしい」と尾ひれがつき、社員の間に不安が広がる。こうして、最初は何気ない話だったものが、会社への不信感を生み出してしまうのです。
このようなことが繰り返されると「この会社、大丈夫なのか?」という雰囲気が定着し、会社全体の士気も下がってしまいます。
負の伝言ゲームはどこで起こるのか?
負の伝言ゲームは、特定の人だけが起こしているわけではありません。メンバーも、中間管理職も、どちらも気をつけなければならない存在です。
メンバーの場合:噂話がおもしろおかしく広まってしまう
メンバー同士の雑談の中で、ちょっとした情報が面白おかしく脚色されて伝わることはよくあります。
「なんか最近、上の人たちがよく会議してるよね?」
「〇〇チームの働きぶりについてめちゃくちゃ文句言ってるらしいよ」
「え、そうなの? なんか△△さんが『◇◇さん、全然仕事してない』って言ってたって聞いたよ」
このように、ちょっとした話が「それっぽく」語られ、気づけば事実とは違う形で広まってしまいます。「面白いネタ」として広げる意図だったとしても、それを聞いた人が不安になり、会社の雰囲気が悪くなってしまうことがあります。
中間管理職の場合:伝え方次第で不安を煽る
一方で、メンバーが噂を広げることが多いのに対し、中間管理職は公式な情報を現場に伝える立場にあります。そのため、情報の伝え方ひとつで、現場の受け止め方が大きく変わってしまうのです。
経営層が会社をより良くするために考えた施策も、中間管理職の伝え方ひとつで社員のモチベーションを下げてしまうことがあります。たとえば、経営陣が「業務効率を向上させるための新しいプロジェクト」を決め、それを中間管理職に伝えたとします。しかし、中間管理職がこんな伝え方をしてしまうとどうでしょう?
「また新しいルールが増えるみたいだよ。めんどくさいけど、上が言ってるからやるしかないな」
→(実際は業務を効率化するための施策なのに、「ただ面倒なルールが増えるだけ」と受け取られる)「なんか上の人たちがまた改革したがってるらしい。正直、俺たちには関係ない話だけど、とりあえず形だけやっとこう」
→(本当は現場の負担を減らすための施策なのに、「上が勝手に決めたことを押し付けている」と誤解される)「また無駄なこと始めるらしいよ。どうせやっても変わらないんだけどな」
→(本来は現場の生産性向上を目的とした取り組みなのに、「意味のないことをやらされる」と思われてしまう)
このように、本来ポジティブな目的で導入された施策も、中間管理職が「仕方なくやるもの」として伝えることで、現場の社員がネガティブな印象を持ち、結果的に施策の効果が薄れてしまうことがあります。
どうしたら防げるのか?
負の伝言ゲームを防ぐためには、メンバーも管理職もそれぞれ意識を持つことが大切です。
メンバーは噂を脚色せず、事実を確認する
会社の話を「ネタ」として扱わないようにすることが重要です。何気ない雑談でも、噂が広がれば会社の雰囲気を悪くすることになります。「この情報は確かなものか?」「憶測で話していないか?」と、一度立ち止まる習慣をつけましょう。中間管理職はネガティブな伝え方を避ける
情報を伝える際には、言葉の選び方が重要です。社員が不安を感じるような伝え方をしないこと、また、「実際の状況はこうだ」と補足を加えて、正しい情報を伝えることが求められます。不確かな情報は直接確認する
気になる話を聞いたら、信頼できる人や正式な発信元に確認する習慣をつけましょう。「〇〇さんが言ってた」ではなく、確実な情報を得ることが大切です。会社側は透明性のある情報発信を心がける
噂話が広がる背景には「情報が不足している」という問題もあります。会社側が定期的に公式な情報を発信することで、憶測や誤解を減らすことができます。経営層の考えや方針をオープンにすることで、社員の安心感を高めることにつながります。
まとめ
負の伝言ゲームは、会社のあちこちで自然と発生してしまうものです。メンバーが噂を面白がって広げてしまうこともあれば、中間管理職が何気なく伝えた情報が不安を生んでしまうこともあります。
だからこそ、「情報をそのまま受け取らず、一度考える」「伝えるときは慎重に言葉を選ぶ」「気になる話は確認する」という習慣を身につけることが大切です。この小さな意識の積み重ねが、会社の信頼関係を守り、働きやすい職場環境につながります。
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