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時を隔てた鏡

からだげんき図鑑」(幼児向けの人体図鑑)で、一重・二重まぶたのコンセプトを知ったヨーヨーが、食卓で家族のまぶたの査定をはじめた。

「僕はどっち?」「ママは二重だね?」「あーちゃんは一重・・・」

そして、最後に隣に座っているパパの目をじっと観察して、

「パパって、笑うとジェームスみたいになるねえ!」と一言。

「ん!?」とパパはピンときていなかったけれど、私はすぐわかった。機関車トーマスのお仲間で、赤いボディが自慢のジェームスだ。

目尻のシワが特徴だ!

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トーマスのシリーズは登場人物(...といっていいかわからないが)みんな機関車で顔の形は多くがまんまるなのだが、それぞれの個性をデフォルメした目の違いでうまく表現している。ヨーヨーはポケモンの前にはトーマスが好きで、繰り返し図書館から借りてきたり、分厚い図鑑を擦り切れるまで読んだりしていたので、私も主要なメンバーを覚えてしまった。

ああ、確かにジェームスだわ。

出会ったのは1998年のことで、当時は互いに学生だったが、いつの間にか彼の目尻には笑うとくっきりとしたシワが刻まれるようになった。あと何年かしたら、笑い皺として定着するようになるやつだ。

そして、向かいの席から見ていると、父と子の見合わせた横顔が、時を隔てた鏡のようにそっくりであることにも気がついた。

ヨーヨー、あなたもきっとそのうち、ジェームスみたいな目になるのね。

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