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森へ 落鮎を手土産に 鮎漁師の徒然

“森へ 来られませんか?”

一通のメールが入っていた。

秋深まる日 
朝 獲った落鮎達を 手に出かけた。

“お久しぶりです 先生”
“先生はやめてください”
“なら 先生さん”
(笑)
そんな会話から始まる

母娘二人 キャンプ場を 自分達の手で
作りたいそんな 御縁が
繋がっていた

”先生 覚えてます僕?“
さらに 御縁が繋がっていた

森に湧く 岩清水で 落鮎達に串を打つ
火を起こして 熾火にして
鮎達を 焼いていく
太古から やっていることは
なんら変わらない

ゆっくり ゆっくり ゆったりと 

その間 森の景色を 愛でている

焼き加減は 鮎達が教えてくれる
そこは 動物の感が冴えてくる

“さあ どうぞどうぞ”

皆さんが 手に手に
落鮎達を かぶりついて 食べている
まるで 縄文人のように….

”美味しい 美味しい“って 呟きながら

その姿を 眺めていると 
鮎漁師はとても 嬉しい

“森を 歩きませんか?”
お母さんは 呟く

至る所に 山栗が落ちている
炙ると 美味しいと…

山のテラス
眼下には森のキャンプ場

なんだか 仙人界を 思いだした。
“朝目覚めたら 眼下に 雲海が
広がっていたんですよ”
歩けるようになって良かったなって

そんな会話をしながら
広大な キャンプサイトを歩き終わる頃には陽が くれていた。


なんだか これからの愉しみが
湧いて来た。

平安な暮らしをする縄文人
浦島太郎な浮世雲

ギランバレーに恋をして
回復期リハビリテーション
森へ 落鮎を手土産に


仙人界って

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