華やかな日には 花を添えて
朝イチ御役目は終了…
“昼からピアノコンサートに行きましょう”
バイクに乗って 隣町まで…
カブと 彼のバイクでツーリングである
走ってる姿見たいから これ乗って行ってください?
え?…… 乗れるのか?
身体は ちゃんと 覚えていた
40年も乗り続けているから
勝手に 操っている。
後ろから ニコニコ顔で
カブで追いかけて来る彼に
いい 音を聴かせてあげようと
色々と 工夫をしながら….
“なんだか 虫みたいだ”と
彼は呟く….
立ちの強い 愚直なバイク
曲がるのは
なかなか 難しいものである
彼の選んだバイクらしい
程よく愉しんだ頃
隣町 信楽のギャラリーに着いた
新鋭の作家さん達の作品が並ぶ
これって ひとつひとつ
手で捻って創り込んでるの?
“後から 作家さん 紹介しますよ”と
コンサートが始まる
このギャラリーにこのピアノが寄贈され
お披露目の日
次から次に 耳に馴染んだ曲が流れる
心地よい日
新しく呼吸を始めた
ピアノが喜んでいるように
聴こえてくる。
休みなしに曲が 奏でられる
2部制…
休み時間…,
昨夜の学級委員長の舞が乗り移ったのか?
バイク喜びの舞なのか
踊ってられる
キッチンのお姉さんもバイク乗り
話が弾みまくっている。
こちらも バックホーンスピーカーを
つくっている陶芸家さんと
バイクのマフラーの調律 話で 盛り上がる
変人の共鳴は 前置きが要らないから
楽である。
先程の作品の作家さんの工房
見学へ…..
足元の器には 細々な花や貝のパーツが
が並んでいる
質問してみた。
“頭の中に 完成形が 先に出来ていて
それを 創り上げていくのですか?”
御意 まさに その通り
完成イメージが最初に浮かんでいるのだ
そうで…
ある作品を観て ふと この景色を
思い出した。
石垣島で 見つけた “旅人の木”
自然のオブジェ
作家さんは驚いた
“私の作品だ…..”と
2部の演奏を終えて
ピアニストさんは 喜ぶ
“このピアノは とても喜んで
音を奏でていると
今から この場で もっともっと育っていくと”
その感性を持った人は 好きである。
“もので あって もので無い”
帰りもまたまた いい音を奏でながら
ツーリング
カブでニコニコと 追いかけて来る
“やっぱり虫みたいだ”と
気分がいい日は 黒ビール
茶畑を眺めながら
それぞれの時を
ゆっくりゆったり過ごす午後に
平安な暮らしをする縄文人
浦島太郎な浮世雲
華やかな日には 花を添えて