“地の涯です”
電話口は おねーさんである。
閻魔大王では 無い…
“お電話頂いてまして”…
折り返した電話
何故か不思議な響きに惹かれてしまう。
宿へ向かう道
道端には 車が停まり
バズーカみたいなカメラが空を仰いでいる。
“鳥ですか?”
道端に立つ クマみたいなお兄さんに
問いかけた。
“熊鷹も 居るんだけど”…..
“今朝 目の前にヒグマが出て
秋鮭を 獲っていた
流石にデカくて びびってしまった”と
興奮覚めやらぬ 表情で語ってくれる。
指さす川は 10mも離れていない。
そこから ヒグマを探しながら
宿に向かった。
そう 地の涯である。
国定公園の中に泊まる。
昭和の雰囲気たっぷりの宿である。
廊下には ずらりと並ぶ皇室の御写真
フロントに尋ねた。
“野湯があるとの事ですが?”
“もう 日が暮れるから 明るいうちに
入りに行った方が良いですよ
灯り無いし”
聞くと誰でも入れる野湯で
宿は管理していないと…
岩尾別温泉 三段の湯
こちらには 入らず
先に進む
野湯が好きである。
“ザ 野湯”
鹿は 宿の前に居た。
ヒグマは…..辺りに居る
ヒグマの居るところに 湯が沸いている
訳で….
明るいうちに 入りに行った方が
良いですよと 言われた意味が
よく分かる….
ヒグマに逢いたいけど
今はまだ 良いかなと
沢の流れを 眺めながら…..
熱々の野湯は 心地よい
さて 地の涯へ戻ろう
平安な暮らしをする縄文人
浦島太郎な浮世雲
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