中期計画の策定方法
前回の投稿で、経営計画を策定するにはまずは現状の経営状態を可視化し、マネジメント層が把握することが前提であることを共有しました。それが為されている前提で次のステップとして、
では「どのように中期計画を策定していけばいいか」の概要を書きたいと思います。
フェーズとしてはプランニングフェースと実行フェーズに分かれます。
プラニングフェーズの最終ゴールは投資内容を決定することです。どのInitiativeにどれくらいの予算を投入するかということです。それがプラニングフェーズでの最終目標となります。
プラニングフェーズの工程
①売上予測
マクロ分析、会社全体の業績推移、マクロ経済、社会動向、政治動向、技術動向、競合他社動向などのマクロ分析を実施。
各事業部で3年計画をWorst / Base / Optimisticなどの複数シナリオと実現するために必要なリソースを算定。
上記のマクロ分析、および各事業部からの計画の両方を参考に、今後の3か年の経営目標、業績見込みを作成。
②コスト分析
現状のコスト構造分析を実施。費目毎に分解し、どこにコストがかかっているのか、それらのコストが競合他社と比較してどうなのかを検証。
③Initiativeの作成
上記の売上・コストの経営目標を実現するためのInitiativeをリスト化し、投資対効果(ROI)を算定。
④投資内容の決定
財務部より投資可能な予算を算定し、InitiativeのうちROIと重要度の軸で最終的にどこにいくら予算を配分するかを決定。
実行フェーズの工程(全社的なInitiativeと営業への予算配分に分けられます。)
①M&A、コスト改善、生産設備の改善など全社的なモノについては以下の通りとなります。
プラニングフェーズで投資するInitiativeが決定した後、各事業部でプロジェクトの立ち上げを実施。具体的には要員体制を構築することになります。担当者を誰にするか、外部パートナーへ依頼する場合の予算執行などです。
またマイルストーン設定や進捗や課題などの報告体制の構築まで完了すれば、あとは実際に実行していくという流れとなります。
②営業への予算配分です。中期経営計画を実現するため、今年度の予算を決定する必要があります。
具体的には以下の通りです。
中期経営計画や過去の業績推移(エリア毎、拠点毎、製品毎など細かく)をインプットに今年度の目標を決定。
目標を受領した各事業部では、それらの目標をチーム単位、個人単位など更に細分化して配分
各チーム、個人などは目標に対してどのように達成するかのプラニングを実施。事業部はそれらを吸い上げてマージし、事業部としての達成プランを策定。
営業本部などで各事業部の達成状況と達成プランを定期的にモニタリング。
以上が大まかな中期経営計画と実行フェーズにおける工程となります。
実際には言うは易しでプラニングに着手して実行に移るまでは、企業の規模にかかわらず半年ほどかかると思います。
大変な作業となりますが、会社という大きな組織を全体として動かしていくためには必須な工程だと思います。この工程があるからこそROIの大きなところに投資をすることができ、結果長期的には着実に業績が良くなっていくのです。
多くの大企業ではすでにこのような中期計画の工程は実施されていると思いますが、中堅企業の場合はここまでシステマティックなマネジメントは構築されていないところも多いと思います。まずはこういったことが実施されるためのマネジメント体制を構築するところから着手していくべきだと思います。
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