思春期は山崎まさよしを聴いて先にこじらせておくと良い
大人になってこじらせちゃうと、舵が効かない。
社会という名の荒波に揉まれているんだ。舵が効かないに決まっている。
だから、先にこじらせちゃおうよ。
思春期に先にこじらせておけば大人になった時には落ち着いている。
若いうちに遊んでると結婚してから遊ばなくなる、みたいな浅はかな理論と同じだ。
ただ、このマインドが世の中に浸透してしまったら教師は質問攻めにされるのは間違いない。
「先生、うちの子をこじらせたいんでけど、どうすればいいんですか?」
こんな質問は日常茶飯事になりうる。
じゃあ、どうやってこじらせたらいいの?
意図的にこじらすことなんて出来るの?
そんな未来の新米教師達も参考にして欲しい。
それでは、実際に僕が”こじらせた”ベストナンバー5曲を独断と偏見で紹介しますm(_ _)m
山崎まさよし 「僕と不良と校庭で」
空、見上げようぜ。
何も起こらない退屈な日々。
平坦なトーンで聞こえる教師の言葉ひとつひとつが、空気に溶け込んで消えた。
僕は今、存在しているのだろうか?
産まれた意味とは?
生も死も本当は変わらないのでは?
僕だけではない。人類はどこに向かうのか?
⋯⋯愛とは一体なんなんだ?
「はい!ここテストに出ますよ~!」
やっべ!聞いてなかった!!はわわ~!!
そんな曲。というかこの曲のために記事といっても過言ではない。
ゴンチチ 「放課後の教室」
「あれ、まだ帰んないの?」
「あぁ、ちょっとやることあるんだ……」
そして僕は教室に残る。
たった一人になるまで残る。
カバンから一つの文庫本を取り出す。
活字苦手だから読めないけど「人間失格」ってタイトルは周りから見えるようにする。
教室には一人だけど、俺は人間失格を読んでいるんだとアピールする。
グラウンドからは部活動に励む、熱の入った部員の声が聴こえてくる。
どのくらいの時が経過したのだろうか。
いつのまにか、教室には赤い光が差し込んでいて、グラウンドからは何も聞こえなくなっていた。
野球部が汗を流す心地よい環境音は、カラスの鳴き声に変わっていた。
僕は1ページもめくっていない文庫本を、そっと閉じた。
今日も女子は来なかった。
「何の闇もないのに闇がある風に装って誰か(女子)に構ってほしい」という状態異常にかかってしまう。そんな曲。
Aquq Timez 「決意の朝に」
Aquq Timez が放つ言葉は一つ飛び抜けている。
心に響きすぎる。
ベタ褒めに聞こえるかもしれないが、僕は敢えてその危険性を伝えたい。
言ってしまえば、副作用を起こす危険がある薬と同じだ。
聞くタイミングを間違えると、症状が悪化、もしくは違う症状が発症する。
特にこの曲のメッセージ性は強い。
強すぎて、すぐ隣にAquq Timezがいる気がしてくる。
ベタな話だけど、挫けそうになった時に聞いて元気をもらった。助けてもらった。
そういう思い出があるからか、外で何気なく歩いてたり、買い物したりしてる時、商業施設内でのBGMで
「どうせならもう~」
って聞こえると、頭がパニックになる。
もう僕は平気なのに、まだ励ましてくる。
脳内の空っぽな空間に、一言目からドカンとメッセージが入ってくる。
個人的な思い出補正の影響なのは分かってる。
でも、急な「どうせならもう」は僕を困らせる。
Kiroro 「生きてこそ」
なんだかわからないけど、生きとし生けるものすべてを愛したくなる。
それを裏付ける理論とかはいらない。
まっすぐに生命を感じればいいんだ。
感覚で命という概念を掴み取ることができる。
こじらせタイミングによっては、一段階高次元な存在になった気分に浸れる。
言うなれば人と神の間の存在。
僕にとって、すっごく元気になったり、立ち上がる勇気をくれたりする曲ではなかった。
ただ、この曲を聞いている間は嫌なことを忘れられる。
もちろん、不安を取り除いてるわけではない。
曲が流れる間だけは、生きることだけしか考えなくなる。
だから、塞ぎ込んでいたときによく聴いていた。
悩みがたくさんあって、解決策も何もない。
誰かに協力を求められる状況ではない。
そんな時に静かな部屋で、ゆっくり噛みしめるように聴くとよい。
ほんのちょっとかもしれないけど、前に進んだ気がする。
ほんのちょっとかもしれないけど、笑えるかもしれない。
そんな曲。
山崎まさよし 「全部、君だった」
https://www.youtube.com/watch?v=JSWnpl34QMk
山崎まさよしで始まり、山崎まさよしで終わる。
僕達は、そういうふうに、出来ている。
「全部、君だった」については深い愛を感じるナンバー。
深い愛なんて思春期にはまだ早いと思うかもしれない。
僕にとっては関係なかった。
強制的に深い愛を感じてしまった。
10代だから、まだそんなに人生経験ないはずなのに、もう一生分人を愛したのではないかと錯覚に陥る。
聞いた次の日は女子を見る目が変わる。
さっきまでめっちゃオッパイ見たかったのに、女子の存在自体を愛おしく、
神秘的な存在として感じることができる。
オッパイとかそういう低次元の問題ではなくなる。
「オッパイとか騒いでるやつ、ダサくね?」
僕は一人でそうつぶやく。
そして昼休みになる頃には、やっぱオッパイ見たくなる。
そんな曲。
いやそんな曲じゃない。愛の曲だ!
やってしまった。
下ネタに走ったあとの「愛」ほど薄っぺらいものはないな⋯⋯。
さぁ、空見上げてまた頑張るか。