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一日一頁:小倉美恵子『諏訪式』亜紀書房、2020年。
なぜ諏訪はイノベーションの震源地たり得るのか。
「古代から外来者と渡りあい、その力をひきよせて、みずからの土地を活かしてきた、あるいは、上京してもなお諏訪の風土をその身に宿す諏訪人の姿」がそこにあるからだ。
自文化を「過去の遺物」としか見られず、そこに何の価値も見出すことができなければ、それは地に着いた自分の「軸足」を放棄するに等しいことなのではないだろうか。土地に根ざした自分たちの文化や、ものの見方を失い、一方に同化、吸収されることを意味するのではないか。逆説的なようだが、それは文化や価値観の違う人たちと、しっかり向き合い、「違い」をこえて本当の意味でわかり合い、新たな道をひらく可能性を失うことにもなるのだ。手放すべき「因習」と、共有すべき「軸足」のみきわめは難しい。その手がかりは何なのか。
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